main 1

□COME BACKD
1ページ/1ページ

俺は、今初めて罪悪感を覚えている。隣で意識を手放した隆二が寝ている。その、寝ている隆二の顔には涙の跡が荒々しく残っていて俺は罪悪感を覚えたのだ。でも、、それでも止められねえんだよ。ごめんな、隆二。楽にしてやれなくてさ。本当にごめん。
そう頭の中でひたすら謝っていたら不意に隆二が俺の服の袖を引っ張ってきた。驚いて隆二を見ると笑顔で俺のことを見ている隆二がいた。



『謝んなくていいよ、臣。』

言葉にはしていないなのに隆二はなぜ俺に謝らなくていいと言ったのか。
そんなこと考えてたら...
隆二が俺に抱きついてきた。



『夢叶った...。』

『ゆ、め?』

『うん。さっき言ったでしょ。俺はずっと臣が好きだったって。俺ね、...ずっと臣に抱かれるのが夢だった。』


俺に抱かれるのが夢?
つまり、それほど隆二は俺のことが好きだったのか。


『馬鹿だな、俺。ほんとに馬鹿だ。』


急にそう呟いた俺に隆二は少し驚いている。








俺は、甘かったんだ。
正直、隆二は俺がどんなに遊んでいても、ほかに女や男を抱いても離れていかないと思っていた。だから、好きだとも伝えなかった。根拠のない自信のせいで俺は散々隆二を傷つけたんだ。
そして、隆二はそんな俺に絶望し、俺には手の届かない人だと勝手に決め込んで俺から離れていったんだ。
そんな時、岩田剛典に出会ったんだ。
絶望していた隆二にとって救世主だったんだろう。散々泣かせて、苦しませて、それでせっかく手に入れた幸せを俺は隆二から奪ったんだ。
最低じゃん。俺...。何してんだよ。








ふと、のびてきた隆二の手が俺の頬に触れた瞬間...







俺の目から涙がこぼれ落ちた。
本当は、泣きたいのは隆二の方なのに
なぜか涙が止まらなくて。








『臣、泣かないで...。』

そう呟く隆二があまりにも綺麗で。
もぅ、傷つけたくない...って思った。しばらく、ふたり抱き合った後
俺は、隆二に岩田剛典の所に戻るようにつげた。
すると、...










『...戻りたくない。』

『え?』

『だから、!臣と一緒にいたいの!』

そう力強く言われて返す言葉が見つからない俺に

『でも、さよならだけは言いに行く。』と隆二は言った。










そして、さよならを言いにいった隆二の背中を見送りながら呟いた。











隆二、さよならだよ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ