03/08の日記

14:18
軍人キース&軍人ロベルト・3
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※戦場が舞台なので、一部そのような描写があります。
苦手な方はご注意下さい。

キースside

ー・ー・ー・ー・

「キース様。司令部より、ロベルト様無事帰還されたとの事です」
「……そうか」

リュークの報告を聞き、ホッと息を吐く。

(まぁ、あのくらいでくたばるタマじゃねぇとは思ってたけど……)

流石だと、言わざるを得ない。

あの笑顔に似合わず、戦場では鬼神の名で呼ばれるその強さは、見せかけだけではなかった。
負けられねぇと、キースは弾数を確認して壁に背をつける。

「……おい、本当にここでいいんだろうな?」
「はい。ゼンさんの情報によると、この奥……Cー3にあるメインコンピューターに情報が隠されているようです」

胸元から取り出した地図を床に広げ、リュークは指先で丸を描いた。

「今、私達はこのAー2にいますので、ここを抜けた後Bー4に向かうのが最短かと……」

指で道順を追いながら説明していると、突然頭に衝撃が走る。

「〜〜っ」

軽い痛みに頭を押さえると、厳しい眼差しとぶつかった。

「おまっ、地図くらい頭ん中叩き込んどけっつったろ」
「す、済みません……っ」

ギロリと睨まれ、リュークは萎縮したように身を縮こませる。

「ったく、そんなんだから、周りの奴等に馬鹿にされんだろーが」

キースの指摘に何も言い返せず、リュークはそっと目を伏せた。

『俺の右腕なんて100万年早い』

いつもキースに言われている事が、胸に突き刺さる。

肩を落とすリュークを横目で見やり、キースは嘆息しつつガシガシと頭を掻いた。

「……まぁいい。ゼンが指示したルートはそれなんだな?」
「は、はい。それにしても、流石ゼンさんですね。ここに来るまで、敵に一度も遭遇しないなんて……」

あらゆる面において完璧なゼンに、リュークは尊敬の念を抱いていた。
今回の潜入ルートを確保出来たのも、彼の働きによるものだった。

「……上手くいきすぎな気もすっけどな」

ぼそりと呟かれたそれは、リュークの耳には届かない。

ここに侵入した時から、拭えない胸騒ぎ。
キースの勘が、『何か』を告げていた。

だが、迷っている時間はないと足を進める。

リュークとアイコンタクトを交わし、角を曲がった刹那。
キースは彼を思いきり突き飛ばした。

「っ!?」

直後、響く銃声。

「キース様!!」

慌てて駆け寄ろうとするリュークの目の前に、無情にも防火シャッターが立ち塞がる。
寸でのところで躱したリュークが最後に見たものは、膝をつくキースの姿だった。



To be continue……?

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