07/07の日記
00:02
星に願いをinシャルル
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「ルイスは…『タナバタ』って信じるかい?」
「『タナバタ』…でございますか?」
何の事か分からない…というように、ルイスが首を傾げる。
そう、と頷き、エドワードは満天の星空を見つめた。
星祭りに参加する為、昨夜訪れたオリエンス王国。
準備も一段落つき、エドワードはルイスと共に滞在するホテルに戻って来ていた。
「ここオリエンス王国には、タンザクに願いを書いて笹に飾ると、星が願いを叶えてくれる。という言い伝えがあるそうだよ」
窓から覗くホテルの中庭には巨大な笹が飾られ、そこでは色とりどりの短冊が風に揺られている。
エドワードは視線を星空から笹へと移し、フッと微笑んだ。
「アルタイルとベガの話は僕も知っているけど…。ここにはそれ以上に、素敵な伝説があるようだ」
星に祈る。
例え叶わぬと分かっていても、人々は願い、祈る。
それがとても美しく感じられた。
「シャルルにはない習慣だからね。折角だから貰ってきたけど…。ルイス、お前も書いてみないかい?」
言いながら、エドワードは手にしていた短冊をルイスに差し出す。
ありがとうございます。とそれを受け取り、ルイスはただ一つ、願い事を書いた。
笹に飾られた様々な願い事。
柔らかな月の光を受けながら、それはいつまでも揺れていた。
星に願いが届くように、と……。
fin
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