天てれ小説
□ヘタレ君の精一杯(恋愛)
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その日の午後、早帰りの日の為昼で学校が終わった。
「さて、帰るか!」
折り畳み傘を出し、鞄を肩にかけて靴を履いた。
そして外に出れば雨が降り出していた。
「じゃね、稜駿!」
雨を見ていたら、言うが早いか颯爽と帰り行く陸。
「おう、じゃーな陸!…あれ、當山」
横を向けばいつの間にか居た當山。
何故か帰ろうとしない。
「…當山、帰んないのか?」
不思議に思って問えば、困った顔を向けてくる。
「…帰りたいけど…傘、忘れちゃってさ…」
恥ずかしそうに照れ笑い。
「…傘、入ってけよ」
無意識に口を突いて出たのは相合い傘発言。
「え、でも、斉藤君濡れちゃう」
優しさから迷いだす當山の手を引いて傘に入れる。
外は雨だから、傘からは逃げれない。
「じゃ、帰ろう」
俺が笑ってそういえば、笑って頷いてくれた。
そして雨の中、相合い傘で帰路に着く。