クトゥルフの呼び声【天てれ】
□封じられし支配者の干渉
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俺は学校から帰宅し、部屋で手紙を読んだ。
“貴方は新しい戦士として認められました”
毎年、幾人かが選抜されて受け取る手紙と聞いていた。
まさか、俺が選抜されるなんて…
“戦士の証を手にした瞬間、戦士として始まる”
戦士の証、丸い水晶みたいな丸い鉱石が嵌った首飾り。
それに触れた瞬間、飛ばされる感覚に襲われた。
しばらくして気がつけば、森のような場所に倒れていた。
何だか不気味な雰囲気の場所。
「…何処だ、ここ」
ポツリ呟いても答えが来るわけが無い。
溜息を一つ吐きつつ歩いて先に進む。
流石に、歩くたび同じ景色が続くとマジで怖い。
「…誰か居ないのかよ」
縋る気持ちを絞るように呟いてみる。
「…ねぇ…誰か…そこに…居るの…?」
俺の声が聞こえたのか、少し先から声が聞こえた。
少し甘いような、でも安定した高めの声。女の子だ。
「お、おう!…俺、新人戦士に選抜されて、首飾り触ったらここに飛ばされてたんだよ」
孤独から解放され、嬉しさが滲んだ返答になっちまった。
「わ、私も同じ…」
彼女が立ち上がったことで近くの木の木陰で休んでいたことがわかる。
「俺、齋藤稜駿…よろしくな」
俺が手を差し伸べると彼女はゆっくりと握る。
「私、鈴木美知代…よろしくね」
美知代は色白で泣きぼくろがあって綺麗な黒髪のいわゆる和風美人という感じの子。
ちなみに俺は短い黒髪のヤンチャ系男子でチャームポイントは顎。
顎を活かした猪木のモノマネが得意なんだぜ!