天てれ小説

□ヘタレ君の精一杯(恋愛)
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「斉藤君、また宿題忘れたでしょ!」

今日もまた、この声から始まる。

「すまん、當山」

俺が頭を掻きながら謝罪すれば、彼女は呆れながらノートを貸してくれる。

「さっさと写しちゃってよ、全く斉藤君は…」

少しお怒りになりながら菜々香にそれを愚痴りに行く。

「稜駿、たまには宿題して来なよ」

なんて笑う陸。

「宿題しようと思ったら寝ててさ」

「それ、なんか稜駿らしいね」

と陸はまた笑う。

「斉藤君ー、まだー?」

いつの間にか背後から来ていた當山に少し急かされながら宿題を写し終える。

「すまん、當山」

「謝るんならして来てよ、宿題」

少し呆れながらの膨れっ面。

悪い悪い、なんて答えれば

當山は「次は助けないからね!」

って言う。

言いながら、必ず助けてくれるんだけど。
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