□儚い夢 続
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名無しさん、お前に俺の声が届いているなら、聞いてくれないか






俺は何があってもお前の側を離れはしない。 だから、戻ってきてくれ







そして、一緒に暮らさねぇか?





……





俺は、涙を流した名無しさんの手を強く握りしめた。


涙は跡もなく消えていた

もしかしたら、
俺の幻想だったかもしれない。




そう思っていた時だった。



動くことのなかった名無しさん唇が、小さく動いていた。



「名無しさん!?…おい、俺だ!リヴァイだ!!」



俺は名無しさんの肩を譲り、何度も呼び覚まそうと名前を呼ぶ。





「おい、早く目を覚ませ!!」






「…リ… ヴァイ…」




名無しさんは小さく俺の名を口にして、笑った。





「俺がわかるのか?…」





「私の…大切な…人」



名無しさんは涙を流しながら俺の顔に手を伸ばしてきた。



その手はとても暖かく、
生きてると感じた。





「名無しさん、俺…」





「…一緒に   …いて、…あり が…う」



彼女の言葉は、小さいけど、俺には何を伝えたいのか、全てわかる。



そして、名無しさんは意識のない間の記憶もあり、俺の伝えたい言葉の一つ一つが聞こえていたと言い






嬉しかったと涙を流す





「俺は、こんな糞みてぇな兵団なんて辞めて、お前と遠くで暮らしたい。」







「あ、名無しさん、左手見てみろ」






名無しさんは驚き、ゆっくりと左手を挙げた





そして それ に気付いた名無しさんは、涙を流す





「戻ってくると信じてた。結婚してくれねぇか?」





名無しさんはオレがはめた指輪を抱きしめ、何度も頷いた。
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