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□疑い
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「……敵は、いると思うか?リヴァイ」
104期の連中が整列する前で、俺たちは段の上から104期兵のしけたその面を見下ろしていた。
「…見ただけじゃわからねぇな」
「……そうだな」
横でエルヴィンも、腕を組みながら列を睨む
俺達がこいつら104期を並べて何をしているのかと言うと……
先日の会議で
ライナー・ブラウン
アニ・レオンハート
ユミル
エレン・イェーガー
上記4名が巨人である事が発表され、それからと言うものエルヴィンの奴は、堅苦しい表情ばかりを見せていた。
何度も104期の奴等に招集をかけるエルヴィンは、この中にまだ紛れているであろう巨人を探そうとしているのには違いはないだろうな。
だが、見ただけでわかるものなのか‥…
「リヴァイ……お前はどう思う」
エルヴィンに言われ
俺は目の前に並ぶ104期を見る
今まで俺達は巨人は"壁の外"にいる物だと思い込んでいた…
だがこんなにも近くに巨人が潜んでいたなんて誰も予想はしていなかった。
固定概念を崩されたあの日から
エルヴィンも変わっちまった。
しかし、この104期生には他にも隠された何かがあると俺は感じる
怪しいと思えば全て怪しく思える、だが…その中でも一番マークしなきゃならねぇ奴は…
「名無しさん」
直感……いや、俺はあいつは巨人なのではないか?とずっと考えていた。
名無しさんの名を出せば意外だと言わんばかりにエルヴィンの野郎は目を見開いた
「…リヴァイ…何故そう思う」
俺達は敬礼をしたまま104期の連中の中に紛れて動かない名無しさんを凝視した。
俺が見ていた限りだが、女型や鎧、ましてやエレンと行動を共にする事が多かったのも1つの理由
それに……何か他の奴等とは違うものが俺には感じていた