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□儚い夢
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「……お前、本部の一室を私物化してるらしいな」
……。
俺は、この糞偉そうな態度をした上官に対して返す言葉が出なかった。
言葉が出ないと言うよりは…
反論する要素がない、と言ったほうが過言かもしれない。
だが、仮に兵団のトップだろうが誰であろうと、俺がしている事に対して煩く言う奴ら、は殺してでも……と、俺はいつだって考えていた。
「おいリヴァイ、聞いてるのか?お前のしている事は意味の「テメェその先を口に出したら殺すぞ」
俺は無意識にこいつの胸ぐらを掴んでしまっていた
今までは誰に何を言われようと我慢ってやつをしてきたが、もはや兵団の上下関係なんて、俺には関係ない。
「……リヴァイ、この手を離せ。お前……自分が何をしているのか分かってるのか?……自分の立場を考えろ」
「あぁ」
「我々は希望のない者をいつまでも置いておくつもりはないと話しているだけだ」
「……」
「私達は君を敵に回したくはない…わかってくれ」
俺は上官と目を合わせる事もなく
胸ぐらを掴んでいたその手を離してやった。
「もうお前も諦めるんだ」
苛立たせる葉巻の匂いが充満したこの部屋を一刻も早く出たい…
「おいリヴァイ聞いているのか?、次の作戦の翌朝までには、例の部屋を開ける。…意味がわかるな?」
「……」
……考えたくもねぇけど
その意味は自然と脳に浮かび上がり、嫌と言うほど色々と想像が沸き上がった
「リヴァイ……残念だがこれが決定だ。」
……。
俺は目の前の男の顔も見ることもないまま、最高指令室の扉から手を離し、『私物化』と言われたあの部屋に向かった。