□シルバーリング
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「そんなもん調査に邪魔だ、今すぐ外さないなら、壁の向こうに捨ててきてやる」




俺は名無しさんにそう言った。



しかし、次の日もその次の日も幸せそうに左手にそれを嵌めているお前を見ていると




俺の腹の中は熱く煮えくり返り
気づけばそれを奪い取り、捨てちまっていた。





「リヴァイ兵長!!な、なんて事を…」


俺にその、左手に嵌められていた指輪を投げられたお前は涙を浮かべて俺を睨み付けてくる



だが、俺は悪いことをしたなんて罪悪感すら無かった。寧ろ当たり前だ!なんて思ってる。



「俺は言ったはずだ、邪魔だと」


まるで正論を言ってるかの様に話をする俺に対して名無しさんは唇を噛んだかと思えば
俺に歯向かって来やがった


「私はエルヴィンに確認は取りました!彼、団長が仕事中も指輪を付けても良いと言ってるんです…、それに…折角エルヴィンに貰ったのに、捨てるなんて酷すぎます」



泣き出した名無しさんだが…俺は満足だ



あいつとお揃いなのが気に食わない

あいつからの贈り物が、許せなかった


あいつと同じ指輪を左手にはめている事が

俺には耐えられなかった…




あぁ、そうだ


俺は名無しさんが好きだ



でも俺がこの気持ちを伝えるより先に
団長のエルヴィンが名無しさんを自分の物にした。






「自業自得だ、そんなに大切なら家に置いておけ!俺の言うことを守らないテメェが悪い。」






なんて名無しさんの頭上に言葉を降り注いだが、自分の言葉が心に跳ね返っくる



…自業自得?…


あぁ、そうだ。



自業自得は俺だよ



俺が名無しさんにもっと早く、


誰よりも早く、この想いを伝えていれば
こんな事にならなかったよな。。



俺は、泣き崩れる名無しさんを目の前に、喪失感を感じた。罪悪感なんてのは全くない。。



もう俺の物にはできないと思えば思う程に心に何か刺さり込んだ。



いや、違う



これからだ




あいつの左手には、今は
何も嵌められていない。



俺はエルヴィンから
必ずお前を奪ってやる。



そしてきっと
俺とのリングを付けさせてやる

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