□愛の形
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兵士長 のリヴァイが好いた女性には、とてつもない秘密があったのだ




それは……





「おい……嘘だろ?」




リヴァイは立体機動装置を整備していたその手を止め、ハンジを睨みつけた。




「嘘じゃないって、昨日、名無しさんちゃんがエルヴィン団長と抱き合ってるの見た」




ハンジはいつものおふざけの様子では無く、真面目な顔でリヴァイを見つめて、リヴァイはこれが本当の話なのだとすぐに受け止めた。




「…じゃあアイツらは……付き合ってるのか」


「多分……」




好いた女が人のものだと知ったときのショックは、たとえ彼が人類最強だとしてもかなり大きく心に響くもの。さらにその相手があのエルヴィン・スミスと言うのだから尚更だ


リヴァイは整備していた立体機動装置を目の前に、全く手が動かなくなってしまった。




「リヴァイ…おーい!」




「……。」


ハンジの呼ぶ声など右から左の耳へと流れるだけで、無反応のリヴァイは整備を途中のまやまま投げ出し、近くのソファーに寝込んでしまったのだ






「そんなにショック?泣いてるの?たかが失恋でそんなに落ち込んじゃう訳?ねぇ、聞いてるのリヴァイ〜」



「うるせぇクソメガネ…この場で削ぎ落とすぞ」



「意外と乙女なんだね〜。まぁ今日はそっとしといてあげるよ」



リヴァイはショックから立ち直れないまま、ハンジの居なくなった部屋で一人考え込んでいた。



だが、いつまでもこうしてダラダラしていては巨人の餌になってしまうだけだ。気落ちを切り替えるために休憩室で紅茶でも飲もうかと、重い腰を持ち上げ歩き出した。




ガチャ






「あ、リヴァイ兵長っ こんにちは!兵長も良かったら紅茶淹れます?」




不運にも、扉を開けると先ほどの話の種である人物が、一人優雅に紅茶を飲んでいたのだ…




「あ、あぁ、すまねぇ」





思考が付いてないリヴァイと反対に、彼女はリヴァイへ他愛のない話をするが、全く反応も無い。



「聞いてました!?」


「あぁ、聞いてねぇ」

「酷い」




反応も無ければ『聞いてない』など不快な態度をされる。私何かしましたか?と当然名無しさんは不愉快になってしまう



「今日の兵長なんか嫌です」


「最初からお前は俺のことなんか好いたことねぇだろ」


「……え?、何言ってるんですか?」



何の話だと名無しさんが頭を傾げると、リヴァイはこれでもかと言うほどに不機嫌を爆発させ名無しさんに詰めよった



「いいか、お前はエルヴィンしか見えてねぇようだが、あんな男の良さが俺にはわからねぇ」

「……はい?」


「俺に不足してる物はなんだ。奴にあって俺に無いものをこの際はっきりと言え」


「…???」



もはや何の話かわからない名無しさん。するとそこに本当に偶然が偶然を呼び、エルヴィンが入室してきたのだ





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