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□悔いなき戦い
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「なぁ名無しさん 、あんたアイツの事好きだろ?」
同期のユミルはそう言いながら遠くに見えるリヴァイ兵長に視線を合わせた。
「違うよ、」
…なんて言ったが本当はユミルの言葉に焦っているのが本音で、今だってリヴァイ兵長に聞かれたのではないか?と思って焦ってしまったぐらいなのだ。
そう…
私はリヴァイ兵長が好き
1度調査で一緒になり、討伐に失敗した私を助けてくれた時に憧れから恋に変わってしまった
心臓を捧げたこの身
恋愛などする事はいけない事だって言うのはわかっている。
「名無しさん…お前はお前の気持ちに素直になれよ…」
「…ユミル?」
いつも人を小馬鹿にして来ることが多いユミルだったが、今日は何処と無く違っていた
「私は今まで『想い』をそのまま放置して壁の外で後悔しながら死んでいった奴を見てきた。その後悔した死に顔っつーのはひでぇもんだ」
私の顔を見るなり…『壁の外で後悔はするな』と言い何時もの調子で私の頭をガシガシと撫で始めた
…壁の外で…後悔はするな…か…
少しだけ自分の気持ちが
素直に慣れた気がした。
そしてふと兵長を見ると…
少しだけ目が合ってしまい、心臓部が高鳴った。