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□救済
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体が崩壊する……
再生できない……
負けたのか……?
死ぬのか? 俺が?
バカな……バカな!!
俺は全力をだせていない!!
こんな姿になってまで
これだけ手間と時間をかけたのに……!
そもそも……!!
あのガキに術を破られてからがケチのつきはじめだ。
あのガキだけでも殺したい……なんとか…。
負けるのか……死ぬのか…
あああ…やりなおしたい…
なんという惨めな……
悪…夢……
下限の壱・魘夢の身体は竈門炭治郎の刃により首を切り落とされ、ゆっくりとボロボロに溶け崩れてゆく。
そして……最後まで残っていた目玉がついに灰となり散り始めたその時…。
魘夢の目玉の前に小柄な女性が現れたのだった。
その女は無言でしゃがみ込むと、まだ完全に消滅しきれてない目玉を摘んで拾うと、何を考えたのか自身の口元へと運び
そして目玉をゴクリと音を立て飲み込み、咽頭の奥へと流し込むと暗闇の森へと消えて行ったのだった。
当然 列車が脱線した傍で、目玉を飲み込んだという彼女のその奇行を目撃した者は誰一人といなかった______