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□思いと想い
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____修行で得られる思いと想い____
【ナナシ】
「うむ!その調子だ!、ではナナシ、俺が腹部を圧迫するから、先程教えた呼吸法で耐えてみろ」
上手くいけば俺からの圧迫を跳ね返すほどよ力が出る筈だ。お前ならできる!と付け足され、いきなり後ろから煉獄さんに抱きしめられる形になり
私は呼吸が乱れてしまった
「ではいくぞ」
_____やばい……呼吸が、
「…ぅ、、」
(…煉獄さん、…申し訳ありません…)
「ナナシ!!?」
遠のく意識の片隅、煉獄さんは私の頬に手を添えながら、悲しそうに謝罪をしていた気がした
____謝らないでください
鍛錬中、他のことを考えてしまった私が、、
折角ご指導してくださっているのに……
煉獄さん、貴方を意識してしまった私がいけないんです!!
___
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【煉獄】
弱き人を助けるために俺は人より強く産まれてきた
その母上の言葉を誇りに思い
今まで生きてきた。
……これからもずっと
そう思ってたが
それは本当に正しい事なのだろうか。
守りたい者のために、こうして俺は後輩の鬼殺隊に自分の知り尽くしている知識を教えているが
なかなか上手くいかない
むしろ、俺自身の手で彼女を苦しめているだけなのではないか!?
呼吸の鍛錬の度に気を失うナナシ
気を失う回数が多いため修行の場に蝶屋敷に変更させてもらったが、それが正解だったようで今回も彼女の手当がすぐに行われた。
不甲斐ない…
俺の教え方が悪いのだろうか
……そもそもこれ以上彼女に託すのは
無理なのだろうか
考えても考えても答えがでない。
暫くすると、目の前に横たわるナナシが、腹部をさすりながら目をさました。
「……れ、煉獄さん!!すいません…!!また私」
「今は何も言うな」
「いえ!まだ頑張れます!!きっと煉獄さんに教えてもらった呼吸をできるようにしますので、もう一度教えてください!」
彼女の鍛錬に対しての情熱は
人一倍だった。
だがしかし
俺と彼女は、男と女だ。
力に差がある事は一目瞭然
ならばこれ以上は限界で
蟲柱のように他の戦術を使うのも手ではないのか?
いや……今は考えてもきりがないな。
「煉獄さん!??…あの」
「うむ。今日はゆっくり休むと良い!」
俺はその場を後にした