□遊び人 番外編
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『俺との相性試してみませんか、と。』




告白のセリフは、
たしかそんな言葉だった気がする。



でも俺は他の男と違い、ななしと同僚ってのもあるからやっぱりダメか…?なんて思っていたけど


ななしからは『じゃあ付き合ってみよ』ってあっさりと返事が来た。



本当ならば「同じ気持ちだった」とか「お願いします♡」とか、そういう甘いシチュエーションで恋人に発展するのが理想だったが


彼女にはそんなのは無い。



まぁ最初からそんな甘い言葉は無いと分かってはいたが、ななしの発した『じゃあ』とか『付き合ってみよ』は、やっぱ適当な感じは流石になんっつーか……


なんかお試しって感じでまぁ正直落ち込んだ。




だってそうだろ?



その辺にいる男と同じ扱いなんだからな。





それを覚悟で好きだって想いを伝えた俺だった筈なのに、どうしてこう変なこと考えちまちうんだ…



まぁどうであれ『お試し』であっても恋人関係に発展できた事をラッキーっとでも思うしかなかった。







だが



いざ付き合ってみればななしは俺との交際を真剣に考えて向き合ってくれてるのか


デートの時間も作ってくれるし

誰も居ない時には甘えてくるし、


お互い暇な夜は電話をして、二人して通話中のまま朝を迎えるなんて事はしょっちゅうだった。



それにななしが休暇の時なんて、俺のためにお菓子を作ったとか持ってきてくれたりする。



そんなななしの話をイリーナやザックスにしたら二人共同じ驚いた顔をして『聞いた話と違う!』と俺に言ってきやがった。




何が違うんだ?と話を聞くと




ザックス達の知り合い達がななしと付き合ってた時は、連絡も続かないし


電話をかけても留守電がほとんどだし


デートの日程を決めようとしても、忙しい忙しい、来週、来週!!と先回しにされるなどと色々な話があったみたいで



俺の知っているななしとはかけ離れていた。




その話を聞いた時は「俺だけ特別なのか!?」なーんて浮かれちまう俺がいたけど


よくよく考えれば、それはただななしはタークスだから他の男とは時間や生活の価値観が合わないからじゃねぇの?って……。




俺は、他の男達同様にななしにいつ飽きられるか?


いつ乗り換えられるのか?


なんて、最初はかなり悩んでたが



ななしと付き合ってから1カ月が半年となり



半年が一年となって
そして今、結婚の話まで進んでいた




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