□沈んだ愛
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「随分と汚れた女だな、と」




レノは任務中に見つけた
泥まみれの女をルードと共に見下ろしていた



「この女はどうする?」



先程、レノとルードの2人が仕掛けた起爆剤でアバランチの施設が爆破されたその時の遺体なのだろうか…


泥で顔で年齢すら分からなくなってるその長い髪を持つ遺体を目の前に、相棒のルードはずれたサングラスを治しながら「どうする」とレノに確認をした。



「ほっとくに決まってんだろ!」


両手を上げながら欠伸をし
めんどくせぇと歩き出すレノ


「アバランチの遺体はアバランチが処理する。俺達がそこまで面倒みる必要はないぞ、と」



レノがポケットに手を入れたその時…。遺体と思っていたその泥だらけの女が、一瞬の隙をつきレノに銃口を向けてトリガーを引いた




____パァン……





発砲音が鳴り響いたと同時に
レノは膝から崩れ落ちてゆく




「…ッ、…テメェ…」



「レノ!!!!」




ルードはレノを守るように泥だらけの女との間に立つが、もう女は気を失っていたのだ





「レノ、大丈夫か!?レノ!!!」

「…ぁぁ、…横腹をカスっただけみてぇだからなんとか大丈夫だぞ、と」



出血を止めるように脇腹を押さえたまま、立ち上がれないレノ。そんな相棒を前に、ルードは先程の女の顔を足で蹴り意識の有無を確認した



「今度は本当に気を失っている」



「…悪い、今のは完全に俺のミスだ…甘かった」


「……うむ」


そしてルードは女の顔に付いた泥を革靴の先端で取り、神妙な顔をしてレノを見た



「レノ……この女…見たことある…」

「は?…冗談だろ。」




「………お前の昔の恋人じゃないのか!?」

「…は?…… んなもんはアバランチにはいないですよ〜、と。」




レノは脇腹を押さえながら、ゆっくりと立ち上がり、女の顔を覗く



「…!?… ななし」



自分を撃ってきた女が、数年前に訳があって別れを告げた元カノだと確信し



会えた嬉しさ、また同時になぜ自分を撃ってきたのか…何故アバランチにいたかと、複数の疑問が溢れ、複雑な気持ちになった。




「…ななしに間違えねぇ…」

「彼女もアバランチだったのか」

「そんな筈はねぇ!…ッ」



ルードの言葉にレノは声を張り上げ
傷口が痛み出す


「レノ…今は安静にしろ。マテリアで後で治してやる」


「…すまねぇ」


肩を支えられて、レノは申し訳無さそうにルード見る。


「なぁ…ルード…頼みがある。」




「…レノ、俺は何年一緒にいると思ってるんだ?お前の言いたい事なんてすぐ分かる」


ルードはサングラスを押し上げ、ななしを横抱きにした。


「…流石相棒だぞ、と」



そしてレノはルードにななしを自宅に連れてきてもらうよう頼んだ
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