*
□選択肢 II
1ページ/1ページ
病室でななしを守りつつ
任務を続けていたレノ
二週間という短い時間だがレノとななしの距離を近づけるには、長すぎるほどの時間だった。
あの日のショックから、まだ声が戻らないままのななしだが、とうとう男がやってくる事なく退院の日がやってきたのだった。
____
_
「荷物持つぞ、と」
レノは彼女のバックや、入院してる間に増えた荷物がつめられた紙袋を持ち、駐車場までの道を歩き始めた。
本当はツォンからの指示で「これ以上は動きがないため、男を抹殺する他の方法を考えるから一度オフィスに戻れ」と伝えられていたが
「絶対に守ってやる」と約束をしたレノは、しっかり彼女を家まで守ってやろうと決め、自身の車に彼女を乗せ、教えてもらった住所にある彼女のアパートまで車を走らせた。
そしてななしの住んでいるアパートに到着し念のためだと、レノが部屋の扉を開けた。
____ガチャリ
「…誰も居ないみたいだな、と」
「……。」
一通り侵入者がいないか、アパートの部屋をチェックしてたレノ
しかし、いきなりななしが抱きついてきて来た事で、レノは大きな声を上げて驚いた
「どうした!?」
震える指で、彼女指差した壁には真っ赤な文字で言葉が書かれていた
『退院おめでとう、愛しのななし。お祝いにそのうち会いにいくね。』
スプレーで書いたのか、文字が垂れているのが不気味さを増している。
「陰湿な野朗だな、と」
ななしはバックから取り出した端末に文字を打ち込むと、それをレノに見せた
そのななしが打った文字をスクロールしながらレノは目を通していく
______________________
レノさん
病院でずっとそばにいてくれて
本当にありがとうございました。
とても心強かったです。
でも、今日から怖いです…
まだ、死にたくないです。
これから私
どうしたら良いですか?
______________
読み終え、ななしの顔をみると怯えるようにレノを見つめていた
そんな彼女を見たレノは少し考えた後、彼女に話し始めた
「…ななし、暫く俺の家に来るか?……もしくはアイツを消すまでの間だけでも、俺をななしの家にいさせて貰うことできねぇか?…」
嫌じゃなかったらと付け足したレノ
ななしは少し考え、端末をタップし文字を打ち込んだ
↓
『家にいたくない』『側にいてほしい』