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□選択肢
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綺麗に咲いていたはずの桜の花が全て散り落ち
木々には新緑の葉が着飾れていた時の話。
レノは久しぶりの休暇を一人ドライブをしながら、その膨大な自然の景色を車の窓から眺めていた。
(こんなにゆっくりできる休暇は久しぶりだな…)
変わりゆく景色を目に焼き付けていたその目にあり得ない光景が映り込んできて、レノは勢いよくブレーキを踏み込んだ
(なんだ?…喧嘩か…?)
そして路肩に停車し、車から降りるとレノは明らかに様子のおかしい二人の男女の元へ駆け寄っていった。
(おいおい、冗談だろ……)
男はかなり興奮した様子で、女に馬乗りになり、刃物を振り上げ女性を何度も何度も刺していた
まるで映画のワンシーンのような光景
ザクっと鈍く生々しい音がレノの耳に、嫌でも聞こえる。
レノに気づかず男は自分の下敷きになった血塗れの女の顔を優しく撫でながら、笑い始めたのだ。
「本当に可愛いなぁ…だから…別れるなんて無理だ……ななしが俺を捨てるなら、お前を殺して俺も死ぬ」
(サイコパスだろ…)
そんな臭いセリフをサラリと吐く男に呆れながらも、レノは軽々男からナイフを奪い取った
「そこまでだぞ、と。おい…大丈夫か?…今病院へ連れてってやる」
男の腕を掴み、女の上から引きずり下ろし、地に倒れてる血だらけの彼女を抱き、自分の車へ向かい歩き始めた
「おいおい!ちょっと待てコラァ部外者ァ!!てめぇ人の女を取る気か?」
「ったくめんどくせぇ男だな。…女に別れを告げられたらそこまでなんだ。本当に思うなら相手の幸せを願ってそこで終わらせるのが本当の男だぞ、と」
レノは叫ぶ男に振り返る事なく自分の車の後部座席に女を寝かると、車に積んであったタオルで傷口をキツく縛り、車を発進させ病院へ向かった。
「しっかりしろ、すぐ連れてってやる」
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