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□嫌いになれない男
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___ブロロロロ
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大きな音を立てて空に飛び立つ、神羅のロゴが入ったヘリの中。レノとななしは楽しそうにヘッドセットの装着をした。
「出発だぞ、と」
「はーい」
目的地であるミディールまで、ひとっ飛びで行ってしまおうと片手でヘリを操縦するレノ。
その助手席に座っているのは、同僚であり恋人であるななしは、先程からチラチラ向けられる視線が気になってしかたがない。
「ねぇレノ、いちいち私を見なくていいよ……墜落しちゃうから」
「別に見てもいいじゃねぇーか。それに墜落なんて俺はそんなヘマはしねぇって」
レノは軽く怒りながらも、やはりななしをチラチラと見るのであった。
「ねぇーなに?私の顔なんかついてるの?」
恥ずかしいんだけど!と、鏡を確認するななしに、レノは違う違うと鼻で笑う。
「別にそう言うわけじゃねぇよ。ただ、可愛いなって」
「なにそれ」
「俺の自慢の彼女だぞ、と。…あぁ、それと俺の渡したそれ、似合ってるなって思って」
レノはななしの首元につけられたネックレスを見てニヤリと笑った。
「私もこれ、すーごく気に入ってるんだ。レノはセンスいいよね……」
ななしは、『レノからの初めてのプレゼント〜』なんて嬉しそうにキラキラさせ笑顔を見せていた。
これは……二人が付き合って三ヶ月の時に、レノがななしに初めて贈ったプレゼントで、彼女にとってもレノにとっても思い出深いものだった。
「それ、かなり真剣に選んだんだぞ。まだあの時は付き合いたてでななしが、どんなのが好みかとかも知らなかったしな」
「そうなんだ…ありがとう、レノ大好きっ」
ななしは身を乗り出し、操縦席のレノにキスをする
「おいおい、墜落するぞ、と」
「そんなヘマはしないんでしょ?」
「まぁな」