□すれ違い
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結婚願望がありすぎて、レノとの未来が考えられない私はレノに別れを告げた。



大好きだったし


レノには気を使わないし


本当は、ずっと一緒に居たかった。


でもやはり自分の周りが結婚して子供もいるから、私は焦る気持ちが増えてくるばかりだったんだと思う。


だって、……私も子供欲しい


このままレノと居ても結婚するわけじゃないから、このまま三十代、四十代となっていくのが怖かった。


無性に結婚を考えるようになった私は、とうとう気持ちが我慢できずにレノと別を告げた。




でも別れてからもレノを考えてしまう。




レノの大切さ、私に尽くしてくれた優しさ
あの大好きな声も、笑った顔も


全てが愛おしく、別れを告げたのは自分なのに
もう早苦しくて堪らない。




そして、結婚が全てでは無かったんだ!と考え直した私は、自分勝手だと分かっているがレノに謝りたくて持っていた合鍵を片手にレノのアパートへと向かった。



……しかし



カギを使いアパートに入ると、部屋から甘い匂い、甘い声が私の聴覚と嗅覚を敏感に反応させてくる


そして玄関に並べられた
女性の靴を見て、私は確信した。



私はまだ別れてから3日しか経ってないのに、レノがもう早女を上げた事に怒りが湧き、全身がブルブルと震えだす



本当は、謝って、レノと戻りたかった。



好きって言いたかった。ごめんねって言いたかった。




でも、私は怒りで我を忘れ、楽しそうなレノの面を拝んでやろうと、ドアを開けてやれば、扉の奥でレノは女と指を絡め合い……見つめ合っていた。



横に居たレノの親友ザックスは、女性を膝に乗せている…どうやら2カップルで宜しくやってたみたいだ



「レノ…誰?」



レノと指を絡めた黒髪の女性は、酒のせいなのか顔を赤らめ、私を見て可愛らしく首を傾げた




「ななし!!」




焦った様子のレノに、自分の名前を呼ばれたが正直に『気持ち悪い』…そう思ってしまった。



私は耐えきれずに、溢れる涙を拭いながら、レノのアパートを抜け出した。



結婚に焦って別れた自分悪いのも分かっている。


だからこそ、余計辛かった。



好きだから…辛かった




悲しい





戻りたいとか、やり直そうとか
別れたくないとか




私に送ってくれたレノの言葉をは全て嘘だったの?



愛してるから、戻ってきて欲しいって言ってたのに、


もう新しい女できたの?



こんなに早く…




私は先程のレノと黒髪の綺麗な女性と濃厚に絡められた指を思い出し、また涙がこみ上げてきた。





「違うんだ!!ななし!おい、待てって、」



後ろから追ってきたレノに必死で弁解されるが、私の耳はもう何も聞きたくないと言っている。



「聞いてくれ!「嫌!離して!!!、レノは乱行パーティーの続きでも楽しんでなよ」



私を追いかけ来てくれただけで嬉しい気持ちもあったが、先程の女性の事を思い出すと胸が苦しくなり、レノ を押し退けた。


でも、レノは私の腕を強く掴んで
離してはくれなかった。



「…レノともう一度しっかり話し合おうと思って会いにきた私が馬鹿だった」



私が今日訪れた理由を皮肉を込めて言うと「あれはザックスの連れてきた女」なんて言い訳しだした。



連れてきたからって
あんな指絡める必要ある?



それなのに戻りたい?


ななし…と名前を呼ばれると
苦しくて、耐えられなかった。




そんな私の腕を強引に引き、行きたくないと伝えてもあの部屋に連れ戻されていく。


私は抵抗したが、叶わなかった。




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