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□ツォンが男を見せた日
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「レノ!!今日はゴンガガで調査をしてきてくれ。」
オフィスで主任から書類を手渡されたレノは、『はいはい』と軽々返事をし、渡された書類を広げ調査内容を確認した。
「了解です。えーっと……あ!ツォンさん、ななしも一緒に連れてっていいですか、と」
いきなりの質問に、ツォンは眉間にシワを寄せ『無理だ。彼女は忙しい』…と、言い放つと、レノはつまらなさそうな顔を見せる
「残念だぞ、と」
レノは命令に従いヘリをゴンガガへと向けて発進させた。
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「え〜…私今日暇だったし、レノとゴンガガ行きたかったなぁ」
レノとツォンの話を、聞いていた本人は、レノ同様につまらなさそうな顔をしイリーナと話していた。
そんな特別つまらなさそうにする彼女に、ツォンは仕事を与えるため呼び出す
「ななし、暇なら私と資料を探すのを手伝ってくれ」
「…はーい。」
ツォンの命令に渋々腰を上げたななし
そんな彼女に対し、イリーナは羨ましいと涙目を見せる
「くぅ〜ッ!ななし先輩…。ツォンさんと二人きりとか羨ましいっス」
「変わってあげたいよ。」
ななしはツォンに続き、資料室に入り込むと、探せと命ぜられた『マテリアの知識』という本を探し始めた
資料室の膨大な量の資料を目の前にななしは怠いと伝わる顔をツォンの前で平気で見せる
「ツォンさん、どの辺にありますかねぇ」
「いや、あるのかも分からない」
「はい!??あるのかもわからない資料をこの山から探すとか…苦痛でしかないです…。」
落胆するななしに、暇だったろ?なんて口角をあげるツォン
ななしは頬を膨らませ、文句を垂れた。
「えー、こんな資料探しより、私は基本アウトドア派なんでレノに付いて行って身体動かしたかったです」
「つれないこと言うなよ」
ツォンは静かに笑いながら
丁寧資料や本をを一つ一つ確認をしていく。
「あ、じゃあ、イリーナも暇なんでイリーナにも手伝ってもらいません?」
人数が多いと早く探せるし!と目を輝かせたななしに、ツォンは真顔を見せた
「…お前は私と二人になるのが、そんなに嫌なのか?」
急に主任ではなく、男のツォンに変わってしまったことでななしは目を見開き驚きを隠せない。
そして気付いた時には資料室の端に追い詰められ、頬を撫でられている事に心臓が跳ね上がった