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□ザックスとレノと私
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「お前、いい加減前に進めよ」
私は、あの場所に行くたびに、レノに怒られていた。
「私はザックスに近状報告してるの、悪い?」
私はザックスの眠る石の前で、座り込んだ。
レノは私とザックスが付き合ってたことも知ってるし、ずっと私たちの事を応援してくれていたし、
それに、ザックスが亡くなったと知らされた日も、ずっとレノは私の側にいてくれたし
今日だってここまで付いてきてくれた。
レノの優しさは十分わかっている。
全部私のために言ってくれてるのも分かってる。。でも、あれから3年が経つけど
私にとっては、まだザックスと過ごした日々は昨日のように感じていた
「ななしがそんなんじゃ、ザックスはお前が心配で天国行けないぞ、と」
そんなこと
わかっている
でも、私はもうザックス以外を愛せないし、できるのならばもう一度会いたいと、ずっと願っていた。
「レノ…ごめんね。でも、私はずっと」
「…なぁお前さ、神羅屋敷の鏡の話、聞いたことあるか?」
「え…」
いきなり真顔になったレノは
空を見上げて、遠い目をした。
「死んだやつに会えるんだと。」
私はレノの話を、嘘でも信じてみたかった。もし少しでも可能性があるのなら、何でもする
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夜中 神羅屋敷のとある部屋の中の鏡の前で濡らした赤い紙を持ち、会いたい奴の名を呼び続ける