□消えた彼女2 *切甘
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オフィスに行けばななしに会える



そんなのはわかっていた。




そしてアイツは私情を仕事に持ち込まない事もわかっていた。



でも俺はそんなこと我慢できない






–ガタン!!



「ななし!!何処行ってたんだよ!」




オフィスにななしの姿が見えれば俺は怒鳴り散らした




「おい!!!何で勝手に出てったんだ!」




「…おはようございます」



俺を無視するように、ななしは笑顔で挨拶をしてまた仕事に戻る





そんな態度が気にくわなくて、ななしの腕を掴み立ち上がらせた



「こっち来いよ、話がある」


「…やめて!仕事、中……」



ガタン!!





「何があったのかしらないが、レノ!!やめないか!」



ツォンさんが俺を止めに入るが、取り乱した俺をツォンさんだけでは押さえきれずに、ついにはルードやイリーナも入り込んだ



だが、俺は隙を見て振り切りななしをそのままオフィスから引っ張り出し、使われてない仮眠室にななしを連れ出した



「レノ……仕事とこれは別」




「うるせぇ」





ななしはいつものように余裕な顔で俺に対応するが、それが余計に俺は気にくわない





「……なぁななし、ずっと探したんだぞ、と」





「……。」



「メッセージ送ったのに、見てないのか?」



「‥」



「俺がそんなに嫌いか?」







「………。」







何も答えないななしだが、それでも俺は話を続けた






「俺が…悪いよな。いつだってお前は俺の帰りを待っててくれてたのに」






「……。」







「でも、他の女と遊んでも…ななし何も言わねぇし、俺がいなくなっても余裕な顔でいるから、」






「余裕じゃないわよ!!どんなに辛いかレノにはわからないでしょ??どんな想いでいつもいつも待ってたのか!!」






ななしは涙目になりながら俺に怒鳴り散らした。今までの想いを全てぶつけて最後に「レノを好きでいるのやめる」と、残して俺の腕を振り切り、部屋を出た





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