□刻まれた愛
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「また見てんの?」





同僚のロッドはオフィスで、雑誌に目が釘付けになっているレノの肩をポンと叩いた。



「なんだよ!いいだろ、見ても減るもんじゃねぇんだ。」



「飽きないなぁ…そんな社員名簿なんて見て楽しいか?」



「…ロッド…これは顔写真付きなんだそ、と」




レノの言葉でロッドは飛びつき
レノから名簿奪った。




「マジだ! あ開発部も、治安部も全部顔つきじゃん!へぇ、年齢まで書いてやがる…」



レノが受付嬢もな、と付け足すと
ロッドは目を輝かせ、ページをめくってゆく。




「それ神羅社員名鑑じゃない ちょっと見せてねっ て、…あら?」



たまたま現れたシスネは感の良いことに、名簿につけられた小さな付箋に気づいた




「シスネ…返してくれ」



「レノ…兵器開発部のななしちゃんが気に入ってるの?」



「……そんな事ないぞ、と」



ニヤニヤと笑うシスネに対し
レノは強い反論もせず、静かに名簿を奪いとった。



「兵器開発部のななしちゃんはねぇ、とある飲み屋さんによく一人で行ってるよ」


シスネの情報に反応したレノは、胸元のポケットからカードを取り出し「何でも買ってやる」とチラつかせる。



「そーこなくっちゃ」






仕事が終わり
レノは6番街に直行した


「本当にこんなとこにいるのか」



シスネな教えられたメイン通りから細い路地に移り、小さなバーに入り込む




「いらっしゃい」






場所と大きさとは対照的に
知る人ぞ知る洒落た店って感じだった



で、お目当の彼女ななしは





「ここいいか、と」




店内には本当にななしがいて、また運良く隣が空いていて



レノは偶然を装い、座り込んだ。







「こんばんは…」





ななしはレノに気づいたのか
少しビックリした様子を見せる





レノはマスターにななしの飲む赤いカクテルをコンコンと指刺した




「マスター、この子と同じのくれないか?」

「かしこまりました」






ななしは困ったような
恥ずかしがってる様子をみせる。



レノは何て話しかけようか
様子を伺ってた時、ななしから話かけられた。




「総務部調査課の方ですよね?」




「あーそうだぞ、と。お前ななしちゃんだろ?同じ会社通し仲良くしよーぜ」




レノはこんな自然な出会いはない
と思っていた





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