□消えない想い
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「今回の彼女、最長だよね」

「結婚するって話もあるよ」


「レノさんとリリアさんお似合いですよね」






私はこう言うヒソヒソ話が大きらいだから、極力お昼も食堂には行かずに、一人外で食べるの。


リフレッシュルームなんかも絶対、、
絶対行きたくなかった。



だって
ずっと好きなこの気持ちが


………消えてくれないんだもん。







【消えない想い】







私はレノとリリアさんの間にはもう隙はないと思い、レノを忘れようと何度も色々な人のアプローチを受けてみた。


……けど


レノを好きな気持ちを忘れるなんて、なかなかそれは難しい事で、何ヶ月も時間だけが過ぎていき…その間にも、レノとリリアさんの距離が縮まるだけだった。


もうダメだってわかってるけど


気持ちが言う事を聞かない。。





そんなある日のことだった。




私はいきなりリリアさんに呼び出しされ神羅本社の近くにあるベンチに腰を下ろしていた。


直接関係も無いし、ましてや話したことも無い相手に呼び出されて面白くない私。



いや、ただ……レノの想い人だから面白くないだけかも知らないけど、とても嫌な気持ちだった。



「いきなりすいません…ななしさん。貴方にお願いがあります。」

「へ?…何ですか?改まって」



いきなり全く無関係なリリアさんに呼び出されたと思ったら、意味不明なことに単刀直入に神羅から退社するように勧められた。




「……はい?…退社???いきなりなんで?」


「わかってる癖に。…貴方がいるから、、レノは私を1番にしてくれないの」


「何のこと?私はもう、、」


「知ってます。元カノですもんね…でもレノは私への気持ちよりもななしさんへの未練の方が大きいみたいで…だから、、神羅から消えてください」





私は驚いた



確かにリリアさんの前に私はレノと付き合っていた。。


でも、


お互いのすれ違いで話し合いもせずに
終わってしまったのだから。


話し合いも出来なかったことを今でも一人後悔してたのに、レノも私を思ってくれていたの?



別れてしまったが
少し安心した気持ちが湧き出てきた





「何喜んでるんですか?元カノの分際で…殺しますよ」





リリアさんが私の態度が気に入らないのか、刃物を見せつけてくる。



でも私は怖くもなんともなかった。。
レノが少しでも自分を想ってくれてたと知れたから



このまま死んでも良かった。





「…私、レノがまだ好きなので。私を殺したいなら殺していいですよ。レノが私を想ってくれてるの知らたから…別に死んでもいい。」




「それ、本当なのか、と。」





足音と共に現れたレノ。




「「レノ!」」




レノは寂しそうに私の頬を撫でる



「ななし…俺、今までお前を忘れようと必死だった。。でもなかなか俺の中のお前は消えてくれなくて」




「私も…なんであの時話し合い出来なかったのかな?ってずっと後悔してたの」




「ずっと…嫌われたと思ってたぞ、と。」




「一度も嫌ったことなんてないよ」




リリアさんの存在を最初からなかったかのように気持ちを確かめ合う私達


そんな二人に苛つきを隠せないリリアさんは私に向かって刃物を突き刺した



しかし



「おっと!リリア、悪いな。…つーか俺はやっぱコイツしか無理だ。」





レノはリリアさんから私を守り、刃物も、彼女だったリリア自身も捨て
元鞘に戻る事を決意してくれた様子



「レノ、私とのこの一年はなんだったの!??」





「ななしを忘れるかと思って、お前を利用しちまう形になっちまったな。悪いことしたぞ、と」



「そんなの酷いよ」






泣きくずれる彼女に対し、私は申し訳なさそうに目を逸らすしか出来なかった







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