*
□普通の幸せ
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「なぁ、このオムツでいいのか?」
レノは引き出しの中から並べられたオムツを取り、ベビーベッドに戻った。
「ほーら、オムツかえますよ、と。」
慣れた手つきで、ベビーベッドに眠る2か月になる息子のオムツを替え始めたレノ。
そんな彼と息子を目の前にななしはほっこりと幸せを感じていた。
「レノ、いつもありがとう」
「ななしがこんな可愛い子供を産んでくれたんだ、オレも協力しなきゃだからな」
「でも、レノ の仕事は過酷だしさ、」
心配する彼女に対してレノは優しく頭を撫でた。
「お前が俺のとこに嫁に来てくれた、それだけで俺は十分幸せなのに俺の子供まだ産んでくれただろ?俺はななしにしてもらってばかりだ」
レノはベビーベッドで眠る
自分そっくりの赤毛の息子を眺めた
「おれ…本当に幸せだぞ、と」
……
……
そんな幸せを感じていた2人だが
当たり前の幸せはすぐ壊される。
夢か現実か。
「レノ…これ、何」
ななしはギュウッと締め付けられる心臓を押さえながら、レノ に一枚の写真を渡した
「……。」
「最低だね。父親としても最低」
ななしは『愛してる0428 reno&shisune』と書かれた記念にどこかで作ってきたであろう写真をレノの目の前に突き出した。
黙り込むレノを見て、浮気を確信して、
「もういい、出て行って」
その一言だけ投げ捨て子供の横に座り込むななし
そんな彼女と対象に、レノはタバコと鍵を取り 部屋を飛び出した。
残されたななしは、どんなことがあっても、子供の前で涙を流さないと決めたのに、次々と涙が溢れでて、何度も、
何度も子供に謝ることしかできなかった
。