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□レノの本気
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レノ_________
ついたぞ、と
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一言だけ受信された端末のディスプレイを見て、私は足早にマンションの階段をかけおりる。
そして、いつもの場所に止められたレノの車の助手席を開けて乗り込んだ
「久しぶり、だね。」
「あぁ……元気そうだな。それ飲んでいいぞ、と。」
レノは、私のために当たり前の様にドリンクホルダーに飲み物を用意してくれていた。
私、昔はコレばかり飲んでたよね。。
好きな飲み物を覚えていてくれてる…それだけで嬉しかった。
その後、暫く車を走らせたが
信号で停車した時も変わらず私達は沈黙だった。
そんな沈黙を紛らわす為に私は何度も飲み物を口に運んでいた。
「……。」
「…レノはなんで誘ってくれたの?」
会話もしないくせに何故誘ってきたのかが分からずに、聞いてしまった私をレノは悲しそうな目をして見つめる
「…逆になんで来てくれた?」
「……」
時々話しても、溝が深まるだけ
もうあの日のように笑って話せれない。
普通に、友達に戻れるかもって思って誘いを受けたが、こんな事になってしまうならば最初から来なければ良かった。。
そう思っていたのが気付いたかのように、レノも私を見る事なくため息を吐きだした。
「…俺は、あの日の事を謝りたくて」
私は「 あの日の事 」
と言われただけで心がギュッと
締め付けられる程に苦しくなった。
この数ヶ月苦しめられたあの日の記憶。。それが消えると思い、今日レノに会いに来たのに、
ほんとはこんな話をしたくて誘いにのったわけじゃない。
「…もういいの」
そう、私はもうあの日のことは
何も思いたくないの
だから、、、お互い忘れよう?
しかし私の気持ちとは反対に、レノは話す事をやめてはくれない。
「…俺は良くない。あの日##NANE1##を捨てたつもりじゃないんだぞ、と」
「レノ、もうあの日の事は思い出したくないの。。もう、普通の友達でいたい」
「俺は無理だ、、あの日からずっと後悔している。。俺は##NANE1##が最後の女にすると決めたほど愛している」
もう話したくない、
都合の良いように話さないで
あの日私じゃない女の人と
重なり合ってたの、レノでしょ?
そして私に気付いて、
『コイツは妹』と言ったのは誰?
その女の人の方が大切だから
私を妹と言ったんでしょ?
悔しかった
ずっと。
そう思いながら私は車の窓を眺めて極力レノと目を合わせないようにしていた