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□第一印象 6
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偽造彼氏、彼女になった俺たち。
別に何もするわけでもなく、誰かに言うわけでもなく、そのまま過ごしていた。
ななしは本来の目的であった『ジェネシスを断る』事ができたから、俺をもう偽造彼氏ともなんとも思ってないかも知れない。
だが、俺はまだ『終わり』と伝えてないから、まだ偽装であるが彼氏である気持ちでいた。
そんなある日2人きりでウータイに任務を任された時、
「なぁ、ななし。 一応俺、まだ彼氏なんだけどよ、キスしてくれないのか、と」
「え、まだ続いてたんですか?」
「終わりって言ってねぇーもん」
…なんて俺がニヤリと笑い冗談をかましてみた。
冗談のはずだったのに、…ななしは顔を赤くし、俺を見つめたまま動かない。
「ななし、?」
その目は何かを俺に訴えるようだった。
勘違いかも知れねぇが
まるで、俺を欲してるかのような、、
いや、それは俺の都合良いように妄想しすぎか?
だが、気づいたら俺はななしを抱き寄せ、その柔い唇に吸い付いていた。
深く絡めるキス。ななしも慣れない手つきで、俺の舌の動きを真似してくる。
それがとても可愛いと思った。
そして、
俺はそれ以上に
ななしが欲しいと思ってしまった。
「ななし、…続き…していいか、と。」
「ん、…なに、を?」
「セックス」
…
…
シーンとした音が流れ俺はやっちまったと思った。
単刀直入に言いすぎたか……
いや、処女の女に対し
もう少し柔い言い方あったよな、、
いやいや…それどころか俺自身軽い目的の男だと思われるじゃねーか、、、
なんて後悔を考えてた時
ななしは頬を赤くし、俺だけを見つめていた。……これは、脈ありって事でいいのか?
そう考えてた時
「…私、したことないので。初めては好きな人じゃなきゃヤです。 」
そう言うと、恥ずかしそうに下を向いた。
キスも行為自体もした事ないのはザックスから聞いていたから、ビックリはしなかったが、俺の深いキスを嫌がらずに受け入れてくれた事に驚いた。