□ギャンブル
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「はぁ、、」




私は彼氏と喧嘩をした腹いせから、近所のパチンコ店に立ち寄り、慣れないスロットを打っていた。



訳もわからないまま回るリールを見つめるが、何も楽しくはない



でも、こうでもしないとやってられない。



何故かと言うと、浮気をされ、殴られたあげくの果て、思い切り蹴り飛ばされたのだ。



私は彼からの暴力から逃げるように部屋を飛び出し、何も考えずに目の前にあったパチンコ店に潜り込みお金を突っ込んでいたその時



私の隣の台に座っていた赤い髪の男が、私の肩をツンツンと突いてくるのだ。



私はビックリし その"肩ツンツン男" と目を合わすと、私の台を指刺しながら何かを話してきていた。


しかしジャラジャラと大きなホール音にかき消され、聞き取れなかったため、とりあえず首をかしげてみることにした。



そんな私の様子を見て理解したのか、男はいきなり近づいてきて耳元に話しかけてくる



「当たってるぞ、と」



男は吸っていたタバコの火を消したと同時に私の目の前にのめり込み、慣れた手つきでリールを777で揃えてくれた。


「ありがとう」と伝えると、またタバコを取り出し火をつけながら、ニッと笑って見せた。






暫くすると、私の受け皿が出玉で一杯になっていたが、もう正直なところ、訳もわからないし大きな音で疲れるし


とゆうか



シンプルに飽きた。




しかも‥換金方法や、辞め方も何もわからかいので私は出玉全てを隣の男にあげることに決める。


隣の男がいなければずっとお金が減っていただけだった筈だと思ったし、私が当たってる間も隣の男は何度も台にお金をつぎ込んでいたのも見ていて可愛そうに感じたから……。



私は出玉を箱に詰め込み
「これ、全部あげます!!」
と、私はできるだけ大きな声で伝えた。




突然の出来事に赤毛の男は目を見開いて、こっちを見ていたが、私は会釈をしてパチンコ店を小走りに抜け出た。



「あー、耳が変」



騒音の中にいたためか、耳に違和感を感じながら来た道を真っ直ぐに進む。



そしてまた、暴力男の元へ帰らなければ‥と思うと足が重くなった気がしたその時だった…





「ちょっと待てよ、と」


私は後ろから腕を掴まれ、振り返ると先程まで隣にいた赤い男が私の腕を掴んでいるのだ。



「なんですか?お礼ならいいですよ」



「‥‥いやそれは駄目だろ」



男は私の腕を掴んだまま、何かを考えていたが、換金して来たといいお金を突き出してくる


「いらない。あげたんですから好きにつかってください」



そう伝え、向きを変え歩き始めた私の横に並んで歩き始める男



「お前、どんなけ金持ちなんだよ」


「いいんです。よければ、タバコでも買ってください」



男はすこし考え、またタバコに火を付けると、にやっと笑った。



「よし、んじゃ飯でも食いにいくぞ、と」


「え、あ!‥ちょっと、、」




いきなりの提案に対し返事をする前に、強引に腕を引かれ居酒屋街へと連れ込まれる。



連れて行かれたのが、ホテル街でなくて良かった‥なんて思うほど、男の力は強く、恐怖だった。



男は何食たい?と聞いてきたわりに、私の返事なんて聞かずに焼き鳥屋さんの暖簾をくぐった


すごく強引で、勝手な男


私はそう思ってしまった。。




「何でも好きなもの頼めよ」



ここで「帰して!」と騒ぐよりは、一杯ぐらい付き合ってから帰る方が、騒ぎにならないと思ったため緑茶を注文した私。


「俺の奢りだから気にしないで食えよ、って言いたいけど、一応あんたの勝ち分だからな」


「好きな事に使えばいいのに」


「飲みたい気分だったからあんたを誘ったんだぞ、と」



誘われた覚えはなく、強引だったような‥と考える私に男は「タバコ吸っていいか?」と聞いてくる。



今日出会ってから何度タバコに火を付けるのを見ただろうか?なんて考えている私に対し、男は絶えず話しかけてくる



話し上手な男って、きっとこの人みたいな男をいうのだろう。。




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