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□君の姿を求めて*前編
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ななしがさよならも告げずに出ていったあの日から
このミッドガルの景色や匂いが変わった気がする
ななしと一緒に歩いた道や店は、あの日から何も変わってないが
俺には色がないように見えていた。
やる気もなければ、仕事も手につかないどころか、生きる気力もない。
何のために働いてるんだ?
俺はタバコに火を付け、また、あの日の事を思い出す。
あの日、白い手紙に書かれていたのは『今まで ありがとう』
この一言だけだった。
俺はななしがいなくなった事が未だに実感が湧かないでいる
ありがとう?
さよならとは違う
さよならではない、だからこそ俺は仕事から帰えると、あいつが帰って来てるんじゃねぇか?なんて…未だに期待している。
そして、勝手な考えだけどまた会って謝り、もう一度やり直したいとだって…
俺がしてきたことは最低だし、許されないのはわかっていたけど
もう一度
もう一度、会ってやり直したいと思った。
いなくなって本当に大切な存在ってわかるって気持ちは、こうゆう事を言うんだな、と。