*
□鎖*愛
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「ただいまななし」
「レノ!! お帰りなさい」
俺の帰りを喜ぶななしは嬉しさからなのか、目に涙を浮かべていた。
「良い子にしてたか?」と俺が聞く事は日々の日課となっていて、それに対して彼女は褒めて欲しいと言わんばかりに目を輝かせてながら頷く。
まるで子犬のようだ。
「じゃぁ…………… 外してやるぞ、と」
俺はスーツから鍵を取りななしの手首とベッドの柵を繋ぐ手錠を外してやると、ななしは俺に飛びついてきた
「レノ……ただいまの、して?」
「ちゃんと言わなきゃわからねぇよ」
「…ただいまの、キスしてほしいの」
俺はななしの一言一言に対して喜びが顔に表れそうになる。だが、素直にそれができない俺は平然を装おっていた。
ここまでななしの気持ちを変えるのに、かなりの月日がかかってしまった。だが、今の俺へ対しての気持ちが異常な程強いななしに、満足でしかない。
あの日……俺の部屋にななしを閉じ込めてから明日で半年を迎えようとしている。
ななしと初めて会ったあの時から、俺は気持ちがおさえれなくなった
たとえ人の恋人であっても、
俺はお前に自分だけを見て欲しかった…
たとえ…それが………………
主任ツォンの彼女でも…
…
…
…
…
あの日………
タークスのオフィスにやってきた1人の女、それがななしだった。
主任ツォンさんの彼女であり、手作りの弁当ってやつを持って来たらしく、俺はその様子をデスク越しに見ていた。
他のタークスの奴らは『お似合いのカップル』だとか『微笑ましい』とか思ったのだろうが
俺にはわからない。
でも、俺はななしに釘付けになっていた
それから頭の中は…ななししかなくなって
どうにかしてツォンさんではなく俺だけを見てほしいという欲望しか浮かばなくなっていた。
追跡なんて俺にとっては朝飯前
俺は迷わず尾行した。
そしてななしの居場所を調べ上げ、強引に自宅に連れ帰ってやった。
最初はななしは涙を流しながら何度もツォンさんの名を呼び続け
俺を見るその目は とても怯えていて……そのお前の目が、もっともっと俺の心を熱くさせていく
自分以外の名が呼ばれるのも不愉快でななしの口にはガムテープを貼り付けて
怯えた瞳で俺を見てほしくなかったから、目に布を巻き付け
俺から離れないでほしいからベッドの金具とななしの手と繋げた。
自己中心的ってやつか?
いや、もっと相応しい言葉があるのかもしれない。側から見たら鬼畜だとか変質者とか言われるかも知れねぇが、俺は満足でしかなかった。
俺が満足ならそれで良い。
ななしは最初泣いていたが、徐々にそれは変わって
俺の愛に答えてくれるようになっていった。
俺が帰宅すると喜んでくれるようになったし
撫でてやればとても嬉しそうに安心した顔をみせてくれる
そんなななしが可愛くて仕方がない
愛してる
ずっとこのままでいれたら………
そう思ってた