監禁

□11日目
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私は瞼に映り込む暖かい陽の光で
目が覚めた。



いつもの目隠しをつけ忘れたのだろうか、私の目は自由だ……




いや、それとも顔を知られたから、もう付ける必要はないのだろうか……



どちらにしても


…とても嫌な気分だ





昨日無理矢理された行為を思い出し、汚れた部位みたが…汚れはない。



髪の香りからして
風呂に入れられたのだろう。。



……色々と考えていたその時
目の前の扉が開かれた。




______ギィ



「おい、飯だ」



横たわる私の目の前に現れたリヴァイ兵長は、今まで以上に頑丈に繋がれた私の腕の錠を外す



「歩けねぇのか?まぁ、仕方ねぇか‥‥」



私を抱え歩きだした




もはや私は傍から見たら介護されている人にしか見えないだろう。




用意された食事の前に座らせられ口を開けろと命令される。


こんな状態で食事を食べさられるなんて、苦痛…、嫌、もう限界



そんな私の気持ちも気づかず、リヴァイ兵長は不機嫌に私に何度も『食べろ』とスプーンを口に運んでくる。



「口を開けろ」



「……いらない」



スプーンを突き出されるが、私は食べる気にもなれなかった。こんな辱しめに合いながら誰が食べる?


趣味な人なら喜んで口を開けるだろうが、私にはそんな趣味もなければ、まだこんな状態でも少しはプライドが残っていた。






「‥‥飯だけはしっかり食ってくれ」



食事を頑として拒む私に、リヴァイ兵長は何度も「頼む」と言い、食べさせようと必死な感じがする。


どうして?




どうしてそこまでするの?



私を人形の様に扱い、楽しんでいるのかとも考えてたが、その必死さのせいか私の口は少しだけ緩んだ。



「……ん、。」




兵長が作った料理なのかわからないが
一口だけ流れ込み、私はまた口を閉じた。



不味いわけでもない。けど、一度開いた私の口はもう開こうとはしなかった。




「仕方ねぇな‥‥」




強引にでも口をこじ開けられるのか?そう思い目を閉じ、構えていた私の唇を何か暖かいもので塞がれる




恐る恐る目を開けると、私の視界はリヴァイ兵長の顔でいっぱいだった




呆気に取られている間に唇をこじ開けられ、口移しに食材が私の口へと入り込む。


喉をゆっくりと食事が落ちていく。



あぁ、何故、

何故私は気持ち悪い、と
思えないのだろうか?

何故、私の脳は嫌がる事一つしないで
受け入れているのだろうか。





それから……何度も
口移しでの食事が続いた。





「食えるじゃねぇか」





食事が終わるとリヴァイ兵長は、近くに置いてあった袋から何かを取り出すと「また逃げちまうから、これでも付けるか」



と言い、私の脚には頑丈な鎖の他に歩けない様にと鉄球のような重りも加えられた




もう脱走は
一生不可能だろう…。。。




脱走……




脱走と言えば‥‥ あの時何故リヴァイ兵長は私の居場所がわかったのだろう?


……脱走した時、私が逃げた事も知るはずのないリヴァイ兵長は、直ぐに私の居場所を特定した





……結局いくら考えても何故、居場所がわかったのか答えが出てくることはなかった。



……




リヴァイ兵長は私に付け足された新しい鉄の塊をいじりながら呟いた




「逃げなければ、いつかはこの部屋の中だけでも自由にしてやりたいとは思っている。」




驚いた



いつかは自分の足で移動して、お風呂に入り、自分の手で食事が出来るようになる。


それだけでどれ程幸せな事か。



私はそんな日常の当たり前の事でさえ
嬉しく思えるようになっていた




「もう逃げないっ。だから、今コレを外してくださいっ!」




私は手錠をされてた両手を
目の前に突きつける

リヴァイ兵長は私の突き出した両手をくくる手錠を弄りながら、口かどを上げた。





「あぁいいだろう。これからのお前の行動次第で外してやる。」




リヴァイ兵長は「部屋の中だけだがな」と付けたし、少し笑った気がした




「それでも嬉しい」



「てめぇは馬鹿か。」



馬鹿だっていい

頭悪い、おかしい…
何を言われたって私の頭にあるのは


自由になりたいただそれだけだった。



。。






「あぁ、あと俺を名前で呼べ。しっかり名で呼べるようになったらそいつを外してやってもいい」



私が自由になるための
条件がまた新たに出された




「リヴァイ兵長……」



「名前だけでいい」



「リヴァイ‥‥」




「そうだ、それでいい」

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