監禁
□7日目
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男は「行ってくる」と私にキスをして
出て行った。
それと同時にこの部屋に入ってきたのは、またも男だった。
「君、名無しさん…ちゃん?」
新しく私の目の前にやって来た男は
入ってくるなり私の名を呼ぶ
「はい」
「オレは…、エ」
男は何かを言いかけたが
すぐに口を閉ざす
大方、名前を知られたくないのだろう
いや、名を隠す事から、この男も
調査兵団の一員だとわかってしまった。
「ところで名無しさん、お前は誰に監禁されてるのか知ってるのか?」
男は先程まで私を“ちゃん”付けで呼んでいたのに、もう馴れ馴れしく呼んできた。
私はその言葉に首を大きく横に振る
知ってたらこの目隠しはされていない筈、と男に嫌みっぽく伝えれば『あの人も凝った事するなぁ』なんてため息を吐き出した。
_______ジャラ
新しく来た男は
私に繋がれた鎖をいじっているのだろう。
「あの人と貴方はお友達なんですか?」
私は、新しく来た"監視の男"に、いつも私の世話をしている主犯の男について探りをかけた
この監視の男なら…何か口を滑らしそうそんな予感がしていた。
「あれはオレの…一応上司」
話を聞くと、どうやら代理で来た彼は私の一個上らしいく、主犯の男に関しては私よりももっと上らしい。
いろいろ話してくれる彼は主犯のあの男とは少し違う感じがするので
私は「手錠を外して」と言ってみた。
「無理だな。俺が殺される。。」
この男さ、主犯の男の権力には勝てないようで外してはくれなかった。
それにしても『殺される』って。。二人はどんな関係なのだろうか。。
私が考える横で、監視役の男はぶつぶつと話し出す
「はぁー、世話しろって言われても、何すりゃいいんだよ…」
今日会ったばかりなのに
やはり‥何故かこの男からは危険は感じられない
むしろ主犯のあの男よりも
話しやすいと思ってしまっていた。
「あ、あの」
私は、この男にトイレに行きたいと伝えようと、声のする方を向き、呼びかける。
「ん?腹減ったのか?えっと……」
男は少し笑ながら独り言を言い始めた
「兵長が飯は食わせって言うから飯は持ってきたけど、どうやっていつも食べてたんだお前?」
__________!???
私の心臓は一気に音をたてた
そして全身に血が逆流して行くように熱い
「い、ま…兵長って言いました?」
「あ、あぁ…なんかまずかったか…?」
私はここでやっと全てのパズルがピッタリと嵌まり込んだ
あぁ、確信してしまった
私を監禁したあの男
あの男が…調査兵団の…
人類最強の…リヴァイ兵長だと。。