監禁

□6日目
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「おい、飯だぞ」


男の一言で私は口を開ける


そして、ゆっくりと丁寧に舌に食べ物が
乗せられていく



ああ、やはり味があっても視覚が足りない分、何を食べているのか分からないものだ。





「ほら、口開けろ」


男の言いなりになって過ごしてきたが
わかった少しだけ分かった事があった。



それは。。



この男は…口調は汚いが
根は優しいってことくらいだった。



男は毎日しっかり私に
3食と、水分も与えてくれる



私の脳は徐々に《この男なしじゃ生きていけないのではないか?》と思ってしまうようにまでになってた。




何て言ったっけ……





たしか

『ストックホルム症候群…?』



考えている間、いつの間に食事が終わり、いつも通りに綺麗に私の口は拭われる。



この口を拭われる行為は
3食全ての食後に欠かせる事はなかった


よほど綺麗好きな男なのか?と
考えていた時だった




「いいか、名無しさん。今日から俺は3日程留守にする。その間代理の監視を呼ぶから、いつも通りにそいつの言うことを聞け」



いきなり言われたその説明に
私の心臓は鳴り病まない



別にそこまで難しい内容だった訳でもないが、私の脳内には、今までで以上に不安と恐怖が浮かび上がった

「え、…やだ、無理…」


第3者への恐怖などで
拒否意外の言葉が出てこない

そんな私に男は声をあげる


「言うこと聞け、
そいつはお前を取って食ったりはしねぇよ。」


「や、他の人怖い、、…あなたがいい、です」



「……」



今……自分自身でも驚いた。


これは完璧ストックホルム症候群だろう

…極限まで追い詰められると
脳が恋愛と勘違いしてしまうあれ…。


名どころか、顔すら知らないのにも関わらず


この男でなければ嫌だ…と
私の脳は思い込んでいる様だ



冗談抜きに、本当に3日間が不安に思えた


「名無しさん、言うこと聞け。たった3日だ、直ぐに帰るから言うことを聞いてくれ。しっかり今まで通りに飯も食ってくれ、わかったか?」


「‥‥はい」



「いい子だな」



男にガシガシッと頭を撫でられ
何故か嬉しく思ってしまった。。



私の脳は、どうなってしまったんだろうか

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