監禁

□5日目
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…もう何回 陽は登っただろうか?




私は末だに自分を監禁している男について何も分からない。




唯一わかっているのは性別と、
兵団の中の実力者だと言うことだった。






男がこの部屋にいる時間と
抜け出す時間を考えた結果
やはり兵団の中の者としか思えない。



……毎朝早朝に起きるのは
エルヴィン団長の朝礼があるから‥?




…だと考えたら、この男…調査兵団?



いや、憲兵団も朝礼はあるのかもしれない
…でも、憲兵団があんなにはっきりとベルトの痕が付くのだろうか???



私は一人でありとあらゆる事を頭に浮かべて自問自答した。




まぁ、そんな事考えたって
あの男が誰かなんて特定はできない。




……あぁ、それより…



今頃、私が所属していた訓練兵の仲間は私を『巨人の恐怖で逃げ出した』とでも思っているのだろうか。


それだけは嫌だ。

そんな風には思われたくない。。




やっと‥‥‥‥





やっと翼の付いたジャケットを
着れると思ってたのに‥





そう思った途端に
涙が溢れてきて…止まらない



…そう言えば、監禁されてから
初めて泣いたかもしれない




最初は夢だとか、冗談だと思っていたが


ここまで来たらもう、一生このままなのではないか?との恐怖も生まれるようになっていた



幸い今は私1人。



思いっきり泣いてしまおう。。





「…っ 帰りたいっ…」





______ガチャ



運悪く帰宅した男が
私の声に気が付き飛んできた。



思いっきり泣きたかったのに。。。



これを最悪のタイミングと言うのだろう。




「!?、おい、どうした?具合悪いのか?!」



私は何も言えず
ただ黙ることしかできなかった。


どうせ解放してと言っても
叶うわけでもない。



それでも黙る私に
男はしつこくクイ付いてきた


「どうした、言え!」



「………」




「泣いてても分からねぇだろ!」





男は、泣いている理由はなんだ?と
私の身体をゆさぶる


「どうした!言え」



私は男の圧力に負け
我慢の限界が訪れた


「う、ぅ、もう、帰りたい、…」


‥‥私の本音だった。




「‥チッ、…」


男は舌打ちをすると
私の肩に置いていた手を離す


…良い機会だと思い私は出来る限り、今伝えたいことを伝える事にした



「私、貴方のしたこと、誰にも言わない、だから…っ兵団に、帰してっ」


私の帰る場所は兵団宿舎。


こんな所で監禁されている間にも
同期は立派な調査兵団になってゆく


私は一秒でも早く一人前の
調査兵団になりたかった



しかし………


「それは無理な願いだ」


男はそれを許さない
許さないばかりか先程よりも
険悪な雰囲気が視界が見えなくても
じわじわと伝わってくる。




それでも私は諦めない

調査兵団にやっとなれる大事な時……こんな所で閉じ込められてる場合ではない



「本当に貴方のこと団長にも、言わない!貴方の顔を、見ないでこの部屋をでて行きますから…だから、、お願い、私を解放して!!…調査兵団でいたいのっ」


"貴方、調査兵団でしょ?"と一言付けた加えて、泣きながらも男に自分の想いを伝えた。



監禁されてから、私はこの男に初めてぶつかったかもしれない。



流石に男は黙り込み




暫く沈黙が続いた







そして……沈黙のあと男が口を開らいた






「名無しさん、すまねぇが、お前を此処から出すわけにはいかねぇ…。」


男は静かに私を抱きしめる。


。。。



。。



「…やっぱり貴方は、私の名前を知っていたんですね。、なんで…こんな事」




「あぁ、おまえの事は知っている。」



そう言って抱きしめてきた男からは何故か、優しさと、寂しさが伝わってきた。


でも、何故私の名前を知ってたの




私だと知ってて監禁してるって事…?




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