監禁

□2日目
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「寝たふりとは、いい度胸じゃねぇか」



……この声

……どこかで。



私は自分の記憶を鮮明に思い出そうとしてみたが、やはり声だけでは情報は不充分だった


とりあえず…




話すことで…何か情報を得ることができるかも知れない


私は唯一自由になった口で、この男を下手に刺激をしないように…会話を続けてみることにした



「わ、たしを、どうしたいの!?」



しかし質問に対して男は「わからねぇな」と一言残し、話さなくなってしまった。



それでも私は諦めない。



なんとか少しでも今の状況を変えたくて……目隠しだけでもはずしてくれないか?と、要求を伝える


……無理なことはわかってる



けど、可能性がない訳ではないから、少しの可能性を信じて私は足掻く。



……だが、男はそれをあっさりと拒否をしてきた。


「あぁ、そうしてやりてぇが今は無理だ。痛いことはしねぇからギャアギャア騒ぐんじゃねぇ」




やっぱり…
男は何も外してくれなかった。




でも……話せば怖い人ではないのかもしれない



『殺すぞ!』とか脅される事もないし…。



それに、変質者かと思っていたけどどうやら気持ち悪い奴ではないようで安心した。。




…………いや……だめ。


……安心しては駄目…


現にこいつは私に、キスをしてきた


…無理やり…しかも舌も入れられた。。。



……それに、この男以外にも仲間がいるかもしれない…やはりこのあとは…ヤられて殺される?



最悪の状況を考えると、寒くもないのに身体がガクガクと私の身体が震え出した






「おい、寒いのか?」




「!?……いい、え」



震える私に気づいたのか、男が私の体調を気遣ってくれた事に驚いた。



その後も男は、どういうつもりか……「腹は減ってねぇか?」「寒くねぇか?」と聞いてきたりする




何故そんな優しい貴方が、こんな……監禁なんて、卑劣な事をするの?




私には理解できなかった。

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