□エースの弱味*甘
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タークスのエースには
たったひとつだけ…弱味があった。



頼れるエース レノ。





どんな敵を目の前にしても、どんな任務にも顔色一つ変えずやりこなす本当に強い男


当然タークスなので、殺しだって何十、何百とやってきているのにも関わらず、普段は平然と生活をしている。


たとえ命令とはいえ自身の手で他人の息の根を止めるその瞬間でさえ、迷いなどはなく、笑みを浮かべる事だってあるのだ。だからこそ一般市民はレノの赤髪を見ただけで震えだすものが多い




しかし、そんなレノにも、一つだけ弱点があるのだった……。








「なぁ―…許してくれよ、と…」


「……しつこい。」





レノの恋人であるななしは、オフィスで何度もしつこくまとわりつくレノに対し、不機嫌になっていた



「…なぁななし、俺が悪かったって」




付いてくる彼氏に対し「‥仕事中」と一言だけ伝え、職務に集中するななし



そんな不機嫌な彼女に対し「‥俺より仕事が大事なのかよ」なんてぶつぶつ言いながらタバコに火を付けるレノ。そんな部下に主任のツォンは『いい加減にしろ。仕事に戻れ!!』なんて喝を入れるのは当たり前



レノが先程から何を必死に謝ってるかと言うと…




ーーーー早朝の事ーーーーーーー




「…レノ。次はないよって言ったわよね?」



ななしはレノのスーツのポケットから名刺を取り出し、レノの目の前で名刺に書かれた名前を読み上げた



「……りなぴょん?…………。」



「ご、誤解だ!これは捜査で潜入した店で貰ったやつだ」



ななしには、レノが焦っているのがすぐにわかった。


2年も一緒に住んでいるから、レノが嘘つく時は少し早口になる事ぐらいわかっている。




「あら?ご丁寧にメッセージが書いてあるよ。『また気持ちよくしてね♡』だって‥レノ」



「‥ち、違」



やってしまった、と顔色を青したレノの予想とは反対に、ななしは一瞬ニコリと微笑んだ


「ステキな話ね!私も他の人に気持ちよくさせてもらお〜っと」

「それは無理」

「なんで。自分はいいの?」

「それは………」



ななしは黙り込むレノに笑顔で「別れようか」と言い放ち、そのまま仕事に直行したのだった。





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