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□気になるアイツ
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「… 名無しさん、お前が気になって仕方がねぇんだ。」
俺は名無しさんを呼び出し、その黒い瞳を見つめた。
「…リヴァイ兵長…」
「なぁ、もしかして、お前…どこかで俺に会った事ねぇか?」
俺はコイツに何かあると考えていた。
黙り込む名無しさんに、俺が1番気になった、アイツの名前を出した。
「…ケニー知ってるだろ」
俺がアイツの名を口にしたと同時に名無しさんは俺から目を逸らした。
「やっぱりか」
俺の予想通り、名無しさんはケニーと何か関係があるようだった。
何の関係かはからねぇが、…これ以上深く探る必要もない
そう思い、立ち上がった俺に
名無しさんは静かに言葉を放った
「…路地裏で……。リヴァイ兵長は私を助けてくれた。。」
「…路地裏?」
俺は路地裏で思いつく、ありとあらゆる記憶を呼び起こす。
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ケニーに指導され強くなった俺に叶う敵奴が消えた暗い地下の街。
そんな暗い街の隅で
男に囲まれた女が1人いた。
この街じゃ弱い女は犯され、金の為に利用されるか、殺されるだけ。
面倒事が嫌いな俺は見て見ぬ振りも考えていた、が
その女の潤んだ瞳が不意に視界に入り込み
気付いたら俺は俺はソイツを助けていた。
…その時も、不意に気になったんだ
その女の存在が。
そして、その女はお礼をしたいと俺の名前を聞いてきたが俺は何も語らず、『強くなれ』とだけ一言残して
女の涙を拭った。
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「お前、あの時のアイツなのか?」
俺は驚いた。
あの弱そうな女が、ここまで強くなって、また俺の前に現れるなんて思ってもいなかった。
名無しさんは俺に助けられたのち、ケニーに出会い、俺の名前を知ったと言った。
そしてケニーに教わるべき事を教わり、俺が調査兵団にいると知り、俺の目的を果たす助けをしたく入団したという。
だが、余りにも強く、王の護衛として抜擢され憲兵団にいたらしい。
「…そう言う事だったのか。あの地下でも、今回も俺は不意にお前を気になっちまったって事か。」
「不意に、ですか?」
「いや、気にするな。」
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ここから人類最強のコンビが誕生し、2人で300人もの戦力と言われるようになった。
互いに良いコンビで、常に背中を預ける信頼できる相手。
そして、いつしかお互いを意識する日がくるのであった。