雪華歌
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自分でも酷い顔だと思う。
姿見の向こうから見返してくる己の藍色の瞳には、生気というものが宿っておらず、外に出ないせいで、色白を通り越して青白い顔には、くっきりとくまが浮かんでいた。
日に日にやつれていく己の姿が、滑稽に見えてくる。
雪路(ゆきじ)は、自嘲気味に笑って立ち上がる。やつれているから、なんだというのだ。
「仕事仕事っ…」
そうつぶやく自分の声が、掠れているのも聞こえないふりをする。
ああ、どうしてこんなことになった。
涙が出てくるのを意識すると、視界が急にぼやけてきた。瞬きをして涙を払うと、水滴が書類に飛び散る。慌てて拭いながら、ため息がこぼれるのを押さえきれなかった。
話は三日前に遡る―――