満ちる世界
□綺麗かもしれない
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「着いたよ半兵衛!ここが私たちの住んでいる寮だよ!」
穂香がひとつと建物を指差して言った。
「綺麗な建物でしょ?」
瑞樹が半兵衛の肩に手を置いた。
瑞樹のいう通り、綺麗な建物だ。
茶色いレンガ作りの建物で、正面に黄土色の木のドアがある。
そのドアの横には赤い窓枠の四角い窓が等間隔ではめられている。
それが縦に五段ほどはめられている。
五階建てなのだろう。
屋根の色は赤。
正面から見た感じだと、かなり広そうだ。
「スッゴいねぇー。二人はここに住んでるの?」
半兵衛が二人に聞いた。
「そうだよ!で、あそこが私たちの部屋!」
穂香が下から四番目の角の窓を指差す。
「これからはあなたもここで暮らしていくわけだし…部屋の番号は覚えておいてね」
瑞樹が言った。
「それじゃあとりあえず入ろう!私たちが荷物を置いたら、色々教えなきゃだし!」
穂香が半兵衛の手を引いた。
「そうね」
瑞樹が半兵衛の背中をおす。
こうして半兵衛は、これからは暮らす寮に足を踏み入れたわけだ。