満ちる世界

□この世界のこと
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「さてと…俺らのことについて教えたから…今度はこの世界のことについてか」

師匠が腕を組む。

「あ、そしたらその事についてはあたしが教えるー!」

穂香が手をあげてピョンピョンと跳び跳ねた。

「わかった。よろしく頼むぞ」

「分かりやすくね」

瑞樹が穂香に注意する。

「んもう、わかってるってば!」

穂香がすねた。

「さ、早く説明しちゃいなさい」

瑞樹が説明を促す。

「あのね、この世界は、魔法使いの世界なの!」

「魔法使いの世界?」

半兵衛が首をかしげる。

「この世界の人は、みんな魔法が使えるのよ」

瑞樹が補足で説明をつけた。

「それあたしが言おうと思ったのに…」

穂香が悲しげに言う。

「まぁいいじゃないか」

師匠がそれをなだめた。

「じゃあ二人とも魔法使いだったりする?」

半兵衛が聞いた。

「だったりする!」

穂香と瑞樹がハモった。

「まぁ、俺もだけどな」

師匠も続いた。

「ここにこれたと言うことはて君も魔法使いだね!」

穂香が嬉しそうに半兵衛のてをとる。

「…俺も?」

「そうね。ここは魔法使いにしかこれないとこもだもの」

瑞樹がうんうんと頷いた。

師匠が本棚に歩みより、一冊の本を抜き取った。

パタン、とその本を机においた。

「詳しいことはこの本に書いてある。だが今はあまり時間がない。ざっくりと説明するぞ」

師匠がパラパラと本をめくる。

「昔からこの世界は、魔法使いの世界だった。そして魔法使いはこの地で生まれ、この地で育った。しかしまれに、人間界から魔力を持ったものが運ばれてくることがある。俺が思うに、その人間がお前だ」

師匠は半兵衛を指差して言った。

「…俺が?」

半兵衛は驚いた。

「そっかーそういうことね」

「改めてよろしく!半兵衛!」

二人が嬉しそうに半兵衛と握手する。

そんな二人を、半兵衛は困ったように見つめていた。

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