□ブランコと呼吸
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やたら小さい僕の目が
君の呼吸を捉えた
悲しそうな無言の呼吸
捉えた 君の呼吸

「だめだ、言えない」
口を開いただけ
言葉はすぐ呑み込んでしまう
空想上と現実がぶつかって
やっぱり現実が勝っちゃう

理想が高いんじゃなくて
自分が弱いだけさ

さよならが怖くて
わざと光から逃げた
「次は君の番だよ」
聞こえてないフリさ
もう通用しない
大丈夫 落ち着いて
自分だけが
自分だけが
開いたそのトビラ

きっと近づくと
意地悪のように
消え去っていくよ
最早ブランコじゃないか
進んだと思ったのは勘違い

近付いてきたよ
涙拭きなよ
前が見えないだろう
雫を零して
一歩ずつ歩いていこうよ
ほら、トビラはすぐそこに

鍵なら持ってるさ
潜る意味はあるさ
せーので入ろうか

やたら小さい僕らの鍵
トビラにさして
嬉しそうな君の横顔を
そっと見つめながら
ちゃんと 思いを伝えなきゃ

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