喪服薔薇。
□ねえ、聞いてる?
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「あれ、しんぢこれ買ったの?」
「ああ、作曲に使ってるやつ壊れてさ、
新しいの買ったんだよ、結構いいやつ」
「だよね、これ高いよねぇ」
明希が目をつけたのはパソコンだった。
機械音痴の彼が聞いてきたから驚いた
新しいものが好きなんだね。
「えー、いいなぁ俺も欲しい」
「珍しいね」
「そお?」
「いつも機械のことなんて聞いてこないから」
「あぁ。俺も作曲で使ってるやつ
新しくしたくてさ。
これ、作曲につかうんでしょ?」
「そうだよ」
「いいなぁ」
「使ってみる?」
「えっ、いいの?」
前のめりに聞いてきた明希が可愛くて
眺めてたいなぁって思ったんだけど
あまりにも目がキラキラしてて
早く使ってみたそうだったから
早めに答えてあげることにした
俺、優男。