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□書類に向かうボクの後ろに
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パタパタと階段を上がる音が聞こえ、ドアが開けられた。
「シゲル、コーヒー淹れたぞ。」
「ああ、ありがとう。」
サトシから、コーヒーを受け取り、一口飲んで、伸びをすると、固まっていた関節が嫌な音をたてる。
「うわっ、すごい音したぞ!?大丈夫か?」
「んー…まあ、ね。」
「あまり無理するなよ?ゆっくりでいいから、息抜きもしろよな。」
まあ、オレは何もできないけど…。そんな風にぼやく君が可愛くて、つい抱き締めた。
「そんな事ないよ。」
そう言って微笑むと、サトシは嬉しそうに笑った。
昔のサトシなら、ゆっくりでいい、なんて絶対に言わなかった。
シゲル〜つまんない〜!
早く終わらせて、バトルしようぜ!
もうお前のベッドで寝てやるからな!
と、まあこんな感じだったのに。
時の流れはフシギダネ。なーんて。
こんな風に、ボクを気遣い、癒してくれる恋人が愛おしい日々である。
けれど、
「…なあ、終わったら、構ってくれるか?」
根本的な所は変わっていないのだ。
寂しそうな顔でボクの頬を撫でてくるので、その手を握り、指を絡める。
「終わったら、君の望むままに。」
そう言うと、サトシは満足そうに微笑むと、ボクの額に口付けた。
額…?イマイチ、納得出来ないボクの心中を察したらしいサトシが、楽しそうに言った。
「こっちは、仕事が終わったらな♪」
唇を指差しながら、悪戯が成功した子供のような笑顔をこちらに向ける。
「……こういう所、君には敵わないな。」
もう唇のみならず、他も美味しくいただいてしまおう。
サトシと自分へのご褒美の為、目の前の邪魔者を片づけようと、シゲルは再び、ペンを握ったのだった。
END
天然不意打ちは、サトシには敵わないシゲルくんが可愛いと思ってます\(^o^)/
お粗末様でした。