中編小説

□失恋から始める恋
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#2

今日も空は暗い。

「雪降りそう」

「寒いしね、降るかな」

「えーやだー」

雪なんてガキくさ。

口には出さずに心の中で呟いた。

「良樹。帰ろ」

「・・・ん」

モノクロの街を掻き分けて走る電車に揺られて二人で帰る。

「良樹。帰ろ」

「・・・ん」




モノクロの街を掻き分けて走る電車に揺られて二人で帰る。

珠樹と別れてから、俺が早退しない時は何故かそうしてる。

こんな大嫌いな奴と

俺は何で一緒にいるんだ。

「でさ、そん時・・・なぁ、良樹?
聞いてんの?」

何で、何で・・・

「よ、し、き」

大嫌いって、思ってんのに

「おい!」

耳元でバチンッと大きな音がした。

「びっくりした。
んだよ、英輔」

「良樹が話聞いてなかったんだろ」

「聞いてた」

「嘘吐け」

「本当だって、面倒いな」

暗い車窓に映る二人の影。

前まではこいつじゃなくて

俺の隣には

「珠樹のコト考えてんの?」

「・・・は、何だよそれ」

思わず目を逸らす。

こんなの、肯定してるようなもんなのに。

だけど、だって、こいつが、

あまりにも

「何でお前がそんな顔してんだよ」

「だって良樹・・・何でも無い」

何で、どうして

そうやってお前まで目を逸らすんだ。
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