花園

□美乃くんの恋愛事情##04
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ーキス、された。

「名無しさん先輩、顔真っ赤。」
クスリと笑われて我にかえる。

「美乃くん、今、何した?」
やばい、泣けてきた。大事にとっておいたファーストキス奪われて、泣けてきた。

「ーっ、名無しさん先輩、泣いてる?」
あーあ、美乃くん驚いてるよ。
まぁ、そりゃそうだな。
美乃くんにキスされて嫌がる子なんて、今までいなかっただろうから。

「美乃くん、帰って。」
私はしごく冷静にそう告げた。

「わかった…今日は帰るけど、俺は先輩のこと諦めないから。」
そう言って、美乃くんは部屋から出て行った。



あれから一週間。
私は美乃くんを避けに避けている。

登校のバスの時間をあえてギリギリにしたり、一緒にご飯を食べていたお昼休みをわざと友達とすごし、授業が終わればすかさず直帰している。

そんな日々を送っていると、放課後何故か西雄くんが下駄箱でまっていた。

「西雄くん…何か用?」

「ヒートでいいよ、名無しさんちゃん。
ちょっと話があるんだ、時間いい?」

「少しなら、構わないけど…」

私たちは人目につかない校舎裏に移動すると、ヒートくんが話しはじめた。

「美乃から話はきいたよ。あいつは昔っから気が短くてね…今回もこんなことになるんじゃないかと思っていたんだ。」

「ましてや名無しさんちゃん、男苦手なんだろ?」

「…うん。」

「それは解るが、彼奴の気持ちも考えてやってくれ。俺は、彼奴は本気だと思っているから。」

「そんなこと言われても…」

一度壊れた関係の修復の仕方を、私は知らない。

「今回のことー彼奴を許してやってくれないか?」

俺に任せてくれればいいから…
ヒートくんはそう言った。




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