Bear Hart

□第弍章
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「おーい、ハルキー!!こっちだ」


待ち合わせ場所の居酒屋に入ると、パパの名前を呼ぶ声が聞こえた。




「おぉ、シカク!!またせたか?」


どこぞのカップルかのような会話をする二人。



(シカクって、まさかっ…………)


声がした方に視線をむけると、



「ん?まさかこの嬢ちゃん、お前の子か?」



記憶している姿より若い奈良シカクがいた。



「可愛いだろー?俺とカナデの愛娘だっ!!」



「は、はじめまして、永遠ハルカ、ごさいですっ!!」


パパに降ろされ、見上げる形で挨拶をする。



「おぉ!!しっかりしてるなーハルカちゃん。流石カナデの子だな」


ニコリと優しい笑みを浮かべハルカの頭を撫でる。


「おいっシカク、カナデの子とはなんだ!!俺の子でもあるんだぞ!!」


カナデと強調されたことが気に食わないのか、抗議するパパ。


「何言ってんだ。お前に似たらだらしなくなるだろ。こんなしっかりしているのはカナデに似ているからに決まっている」


ニヤリと笑うシカクに思わず見とれる。


(わぁ、大人だぁ)


前世も、今も近くの大人は子供っぽい男性が多かったため、シカクの大人のオーラに目を輝かせる。



「おぉ、やっときたか」


「先に飲んでるぞ、ハルキ」


シカクの後ろから、髪の長い人と身体の大きな人が声をパパに声をかけてきた。


恐らく、山中いのいちと秋道チョウザだと思われる。


「よぉ二人とも。今日は可愛い俺の娘を連れてきてやったぞ」


鼻高々にハルカを抱き上げ、二人に見せびらかす。


(恥ずかしい…….)


近くなった大人達からの視線に耐えれずに俯く。



「ほぉ、この子がお前の良く自慢しているハルカちゃんか」


俯くハルカの頭を優しく撫でるいのいち。


「可愛いんじゃねぇか」

チョウザが俯くハルカに優しく微笑む。


「だろだろ?」


自分が褒められたかのようにハルキが自慢気にハルカを抱きしめる。





「よっしゃー飲むぞー!!」


まだ飲んでないのに酔っ払いのようにテンションが高いハルキに溜息をこぼすハルカだった。



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