1000年の時を越えて

□第一幕
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〜プロローグ〜







ひらひらひら



「似合いますよ」

「綺麗です」


桜が舞う春の季節


由緒ある屋敷で十二単を身に付けた1人の少女を囲い褒め称えるお付きの人々


「ありがとうございます」


バックに桜を背負い微笑む少女、不二千春に周囲は感嘆の溜息をもらす



「この十二単はとても貴重で平安時代では天の使いの者が身に付けていたと言われております」


着付けをした女性が千春の襟元をなおしながら説明する


「だったらこの格好で平安時代にいったら神様の使いの者って称えられるかな」

「ふふ、そうですね」


軽い冗談を交わしながら和やかな雰囲気が流れる








「それでは、時間になるまで自由にしていて下さい」

「はい、ありがとうございます。失礼します」


部屋にいる人達に挨拶し部屋から出て行く





「どこいこうかな……」


約束の時間まであと1時間、


「散歩、しようかな……」


千春は目的もなく広い屋敷の中に足をすすめていった













30分後……


「ここ、どこ……」


見事に迷子になった


「取り敢えず、近くの部屋に入ろっ」


周りを見渡し近くにあった部屋の中に入ると、そこは様々な物が置かれた部屋だった





「あっ、囲碁だ……」


うろうろと中を見ていると高そうな囲碁の碁盤を見つけ手を伸ばした



ピカッーー


「わっ!?なに!?」


突然碁盤が光り、
あまりの眩しさに目をつむる





「(や、ばいっ)」


千春は倒れて行くのを感じながら意識を手放した






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