story
□C.O.F.F.E.E.
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「はぁ……みんな休みを満喫しやがって……こちとら朝から晩までバイトなのによ……」
今日は日曜日。家族連れやカップルで賑わう店内、カフェで働く春香は一人寂しくコーヒーを淹れていた。
「こんにちは、コーヒー1つください」
「(あーまたお客さん…もういい加減にしてよね…)はい、少々お待ちくださ……えっ?」
春香が顔を上げると、ピンク色のベストに身を包んだ貴公子のような男性……春日が立っていた。
「あのー、コーヒーをお願いします」
「春日さんっ?!なんでここに…あ、すっすみません。すぐ作りま…あちっ!」
「あっ大丈夫?!ごめんね驚かせちゃったみたいだね」
「だ大丈夫です!(あっつ…指火傷しちゃった…)」
「だめだよ、すぐ冷やさないと…手貸してごらん」
「本当に大丈夫です、ちょっと、…あっ…///」
春香の手を引っ張り、火傷した指を優しく口に含む。そんな春日に見惚れてしまい、春香は何も言うことができなかった。
「これで大丈夫、綺麗な指がもったいないよ。もう火傷しないでね」
「は…はい…っ…ありがとうございます…///」
「君、名前は?」
「はるかって言います…春に香るで、春香です。あ、ごめんなさい、すぐにコーヒー作りますね///」
「はるか、春香…可愛い名前だ。うん。お願いね、春香ちゃん」
春の訪れを感じながら、目の前にいる貴公子の為に渾身の一杯と愛を注ぐ春香。
二つの流星が絡み合いながら進み、交じり合ってひとつになるのも時間の問題であった……。
〜to be continued〜