An endless arching need
□第3章 約束
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自分の存在を否定する事を...
「両腕で真っ直ぐ構えろ。中心を狙え。吸血鬼を殺しても罪にはならない」
もう、これ以上は何も言わないで。
私は零の背中に抱き着いた。
「え、西園寺先輩?」
「ごめんね...零。」
そんな事を思わせて。そんな事をさせて。
そんな選択をさせてしまって。
「私がちゃんと止めてあげる。私以外の人に手を出したら...零がそれを望むなら私が止めてあげる」
そこから先の記憶はない。
目を開けると、見慣れた部屋だった。
「あっ、やっと目が覚めたね」
私の顔を覗き込んできたのは双子の兄。
ガバッ
吃驚して、勢い良く起き上がった。
「何で此所に...1週間後に来るんじゃなかったの?」
「ん?あぁ、その予定だったんだけど...紗菜ちゃんに逢いたくて早く来ちゃった」
ニコニコとしながら言った琉斗。